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ニューオーリンズ・トライアルのNoAceJustYouのネタバレレビュー・内容・結末

3.1

このレビューはネタバレを含みます

2022/06/26鑑賞。62点。
題材や序盤から中盤にかけての展開は素晴らしいが、マーリーが動き出してから微妙。ニコラスとの関係を恋人にする必要はなかったし、フィッチとの駆け引きもイマイチ・・というかマーリーが出てきてからフィッチが急に小物になった。かと思ったら終盤ではマーリーを殺害しようとしたり・・。殺しだけはやらなかったフィッチが追い詰められてその判断に至ったというのならまあ納得感はあるが、小物感溢れる終盤でそれをやられたら幻滅しかない。
実はローアよりも冷静にモノを見ることのできるグリーンや陪審の中で誰よりも中立な立場を貫くハーマンが掘り下げられなかったのも残念。
フィッチに脅された陪審員たちが最後に正義を貫く理由に説得力もない。
キャストは非常に豪華で、メインのキューザック、ワイズ、ホフマン、ハックマン。そのほかにも、ブルース・マッギル、ブルース・デイヴィソン、ジェニファー・ビールス、クリフ・カーティス、ルイス・ガスマン、ジェレミー・ピヴェン。一度見たら忘れられないネスター・セラーノやリーランド・オーサー、ディラン・マクダーモットもチョイ役ながらしっかりと印象に残る。
恐らくホフマンとピヴェンの役柄が最も必要のない役だったのでは・・。リーガルものなので原告側が出てこないといけないのは分かるけど、あえてホフマンが演じるほどの役ではない。もしかして親友のハックマンと一緒に映画に出たかっただけ?

〈見所〉
・3万と10万と1、そして20億ドル
・正義は盲目
・ホフマンvsハックマン at トイレ

ニューオーリンズの証券会社で銃乱射事件が発生し、11人が死亡、犯人は自殺する。
事件で夫を亡くした未亡人のセレステ・ウッドに雇われた弁護士のローア(演. ダスティン・ホフマン)は、銃撤廃を理想に掲げる若き陪審コンサルタント・グリーン(演. ジェレミー・ピヴェン)の熱意を認めて彼を雇う。

一方、この民事訴訟の結果次第で銃規制法が強まる可能性が高く、そのことを危惧した銃器メーカーのヴィックスバーグ社は陪審コンサルタントのフィッチ(演. ジーン・ハックマン)を雇う。
しかも、裁判に負ければアメリカ各地で同様の民事訴訟が起き、20億ドル以上の賠償金を支払うことは避けられない。ヴィックスバーグ以外の4つのアメリカ大手銃器メーカーも裏で裁判の資金援助をすることに。

フィッチは、違法な身辺調査、盗聴、プロファイリングを駆使して論理的に陪審員選びを進める。
着々と陪審員選びが進んで12人が選出され、法律に精通する盲目のハーマンが陪審長となる。
裁判が始まってすぐに、原告側のローアと被告側のフィッチに「裁判に勝てるよう、1000万ドルで陪審員を売ってやると謎の女・マーリー(演. レイチェル・ワイズ)からメッセージが届く。
ローアは正義と裁判を愚弄した行為と言って取り合わない。フィッチは切り札として手元に置くと同時に、マーリーの素性を明らかにしようと動く。

ニコラス・イースター(演. ジョン・キューザック)という陪審員が、中心人物であることを見抜いたフィッチ。彼の素性と弱みを握るため自宅に侵入する。しかし、その裏工作がマーリーにバレてしまい、報復としてヴィックスバーグ側に好意的な陪審員がハメられて、忌避となる。

ニコラス以外の原告側に好意的な陪審員のたちの弱みを握ったフィッチは部下を使って、ヴィックスバーグ側に好意的な判決を出すよう彼らに強要する。
当然ニコラスは、セレステに好意的だった陪審員たちの様子がおかしいことに気づく。その予想は的中し、DV夫と暮らし不倫のネタを握られていたリッキーが自殺未遂を図った。HIVを患っているエディ、夫の違法な不動産事業の証拠を握られたミリーがいつヴィックスバーグ側に寝返るか・・。

時を同じくして、ハーキン判事(演. ブルース・マッギル)の元に、ニコラスの家に何者かが侵入する映像が届く。陪審員たちの身を守るため、彼らはモーテルに隔離されることに。

部下のジャノヴィッチ(演. ネスター・セラーノ)を使ってニコラスの自宅からiPodを盗み出したフィッチは、彼が銃が絡んだ裁判やそこで選出された陪審員リストが記録されていると突き止める。
ニコラスが過去に、ランカスターやカーという偽名を使っていたことが分かる。彼が何者なのか突き止めるため部下のドイルに調査を指示する。

証人喚問されたヴィックスバーグ社CEO・ジャンクルが裁判中に暴言を吐いて自社の責任を一部認める発言をしたために、フィッチは裁判で負ける可能性を考慮。
フィッチはマーリーを通してニコラスと対面。
ジャノヴィッチを使ってマーリーを暗殺しようとしたことが露呈し、取引額は1500万ドルに引き上げられる。
フィッチが1500万ドルを送金し終えると、ニコラスが陪審員たちを操って被告側のヴィックスバーグが勝つよう仕向けることで取引は成立する。

調査を進めるドイルは、ニコラスの本名がガードナーと言い、ガードナーが昔付き合っていたマーガレットという女性の存在を知る。
10年前の1989年、インディアナポリスの高校でプラットという少年が銃乱射事件を起こし、被害者にマーガレットがいた。その時も銃器メーカーのブラックウェル社を相手取った民事訴訟が行われたが、フィッチの裏工作によって被告であるブラックウェル社が勝訴。
ニコラスはその時の復讐を果たすため、マーガレットの妹・マーリーと手を組んだのだった。

最終弁論が終わり、陪審員たちは判決を出すことになる。
ニコラスと元軍人の陪審員・フランク(演. クリフ・カーティス)が口論となり、フランクが「自分たち軍人は戦争から帰国しても国から金がもらえなかったのに、夫を亡くした未亡人だけ儲かるなんてやってられない」と暴言を吐く。
ニコラスは、「裁判が始まる前から僕の答えは決まってて、それは変わってない。それぞれが正しいと思う決断をしよう」と応える。
結果、被告側が敗訴し、セレステに対して1億1100万ドルを支払うよう判決が下る。

裁判に負けたフィッチの前に、ニコラスとマーリーが現れる。
1500万ドルを送金した電子データが公になれば確実に連邦法で有罪になる・・。陪審コンサルタントの引退を条件に、ニコラスとマーリーはその証拠を当局に引き渡さないと約束する。
手に入れた1500万ドルは、銃被害者たちの生活支援に役立てることにする。
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