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ニューオーリンズ・トライアルのcatmanのレビュー・感想・評価

4.5
お前らCIAかFBIかってくらいの暗躍っぷりにてっきりフィクションかと思いきや何と実在する「陪審コンサルタント」なる商売、そして銃社会の闇といった、如何にもアメリカらしいモラルの欺瞞を扱った法廷サスペンス。とは言えシリアスな社会派ドラマではなく意外と荒唐無稽な娯楽作品で、心に残る名作とは言い難いけどすこぶる面白い。この手の映画にありがちな人物の相関関係を追い掛ける苦労は不要で、脚本がよく整理されていて演出もリズミカルで手際が良いのでストレス無く最後まで観られる。
主演のキューザックは彼の雰囲気によく合ったハマり役で良い味。ハックマンvsホフマンのタイマンシーンは僅かながら、二人の名優による迫真の演技と貫禄たっぷりの存在感が作品全体のムードをギュっと引き締めていて流石。あと端役のジェニファー・ビールスの軽過ぎる扱いに涙してしまう。セリフすら無かった様な…

エンドロールで流れるノラジョーンズによるボブディランのカバーもイイ感じで。
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