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東京物語のERIのレビュー・感想・評価

東京物語(1953年製作の映画)
4.1
小津監督作品、2作目です。

いやはや本当に美しいばかりの構図。カメラワーク、場面展開。芸術度が高すぎる。なのに描いているテーマが日本のある家族を描いているから、当時の日本の文化がど真ん中に描かれているし、普遍性や郷愁もあって、絶妙なバランス。

そしてまだ2作しか観たことはないのだけど、小津監督の映画に出てくる家族は子供が本当に良くて、稔ちゃんといさむちゃんが可愛すぎるのです。「じゃぁ勉強しなくていいの?」のやりとり、めちゃ好き。

まだ日本にスーパーマーケットが登場する前の、和装と洋装が入り混じる、お肉なんかも紙に包まれているような暮らしは、今見ると私たちが無くしてしまったものがそこにはあって、羨ましいぐらいだ。豊かさとはいったいなんなのだろうな。

からの原節子さんの圧倒的、美。凄いな。




東京に出てきたお父さんとお母さんは、なんだかんだで尾道のお家に帰りたくなってゆっくりすることができない感じとか、大都会の東京をみる2人並んだ背中とか、とても味わい深い。
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