恥ずかしながら、映画が好きなんて言いつつ、一度も見たことなかった小津作品。理由は、、、眠そうだから。
Wikiより引用:『上京した年老いた両親とその家族たちの姿を通して、家族の絆、夫婦と子供、老いと死、人間の一生、それらを冷徹な視線で描いた作品』
ほらっ、眠そうでしょ。スリルと波乱に満ちた黒澤映画とは真逆のイメージですよね。日本映画史を知る意味で、一応観ておかないとと思って、半ば義務的に鑑賞した結果、、、
コレは傑作だ!
大概映画は主人公に対して敵対する人(悪役)がつきものだけど、この作品に出てくる人たちは全員根はいい人なんです。
東京見物をとっても楽しみにして、汽車で子供たちを訪ねる老夫婦、
喜ばせてあげたいのに、仕事に追われて止む無くかまってあげられない息子たち、
仕方がないと納得しつつもちょっと寂しそうな周吉(笠智衆)の切ない表情、
なんとか楽しませてあげたいと思う紀子(原節子)の健気な優しさ、
昭和のどこにでもありそうな日常が、こんなにも胸に染みる。ありきたりの人情ドラマとは一線を画す、とても素敵な映画でした。もし僕と同じように食わず嫌いで観てない人がいたら、観て損はないと思いますよ。