KOZO

東京物語のKOZOのレビュー・感想・評価

東京物語(1953年製作の映画)
4.6
邦画好きと言っておきながら、恥ずかしながらの小津作品デビュー。
かなり前に録画してたけど、観るのにずいぶん構えてた。
でもコロナ禍がまだ続き、人のあり方について考えさせられる中で観て良かった。
家族のあり方なんて永遠不変なテーマ。
思い出したのは是枝監督の『歩いても歩いても』や『海よりもまだ深く』そして『海街diary』といったどちらかと言うと穏やかな作品。
尾道の海は是枝作品の湘南の海に重なった。
戦後から復興が進む東京の慌ただしさと尾道の長閑さの対比。
東京に出てきた老親に知らず知らずのうちに冷たい態度を取る実子に対し、一番甲斐甲斐しく世話をする、元は他人で戦争で夫を亡くした嫁。
そしてラストの嫁の告白にハッとさせられる。
あとで教えていただいた、この作品撮影時の笠智衆が49歳だったこと。72歳の役って、あの“間”といい、途中の旧友再開時のリラックスぶりといい、素晴らしいな。
これも20代で観てたら印象違ったろうな。
仕事柄、様々な家族の姿を見てきたから尚更、いろんな事情が解ってしまう。
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