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「東京物語」に投稿された感想・評価

とみ

とみの感想・評価

4.0
【修正再投】
シネフィル御用達映画すぎて敬遠してた作品、とうとう観ちゃった

過去の(これ以前の)小津作品に比べて、ラストにグッとくる切なさとかではなく、割とずっと苦しいし、悲しい
なんなら観ていて厭な気持ちになる

戦後として時が経ち、現代の日本になっていく模様が描かれている
煙突のカットなんかも印象的
生活は豊かに、人間関係は気薄に

家族としての形が変わって人々の個々が離れていく現代社会の風刺を感じる
それが今や当たり前なんだけど、とても物悲しい

本作における""紀子""という存在は、結婚できない女ではなく、変わらない日本/日本人としてのメタファー、希望の様に見えた
小津自身が感じた、変わっていく日本への寂しさの投影
「あなたが一番良い人」というのは変わって欲しくない、日本の姿として
しかし、紀子が「私、狡いんです」と泣くのは、時が経つというものへのあがらえないどう仕様もない儚さ/切なさを表している

いつになっても孫より子の方がかわいい、といったセリフがあってめちゃくちゃ食らってしまったな
KENTA91

KENTA91の感想・評価

3.7
自分にとってはかなり古いが世界の映画監督から賞賛された小津安二郎の作品で、映画史に残るということで鑑賞。確かにテーマでもある血の繋がりを超えた純粋な愛情を感じられる。低い位置からのカメラワークで登場人物の表情をうまく捉えられている。絵のような画角と静止されたカメラによるシーンも場面場面で、そのストーリーを感じることができる。
砂場

砂場の感想・評価

4.6
フィルマークスのレビューは作品を見直してからなるべくあらすじとか情景を書くようにしているのだけども、小津映画はあらすじでは良さが伝わらない映画だ。俳優たちの一瞬の視線の交差とかとるに足らないような会話が大事なのでありあらすじではうまく伝わらない。結局作品自体を見るしか良さは伝わらないけど一応あらすじを書いておこう


ーーーあらすじーーー
■尾道から東京への旅支度の老夫婦、若い娘は勤務先の学校に行った
東京では老いた父母を泊める準備、中学の子供の机を廊下に出して勉強ができないと大騒ぎ
周吉(笠智衆)、とみ(東山千栄子)は長時間かけて東京に来た。
長男の幸一(山村聡)、妻、二人の子の住む家にとりあえず泊まる。長女の金子志げ(杉村春子)、次男の嫁紀子(原節子)も来ている
久しぶりの家族の団欒も終わり、志げ、紀子は夜帰っていった、金子志げと旦那(中村)は美容院を経営している
■幸一は周吉、とみを連れてデパートに行く予定で子供たちも大盛り上がりだが急患で行けなくなった、つまんねいや、いかねえやいと不貞腐れる子供たち、ばあちゃんは下の子勇と河原で遊ぶ
少し東京見物をした後に紀子の家にくる
すまなかったなあ、仕事を休んでもらって。次男の昌二は戦死し紀子は一人で暮らしていた
■仕事の忙しい幸一と志げは、両親を相手にする時間が取れずお父さん、お母さんを熱海にやったらいいですよ。熱海で温泉、ええ気持ちですなあ、、と良かったが宴会が賑やかで寝られない、こんなところは若いもんの来るところじゃそろそろ帰ろうか、帰りたいんじゃないですか、帰りますか
帰り道、とみは目眩がする
■志げの店に予定よりも早く帰ってきた父と母、お客さんがどなたと聞くと、知り合いのものですよ、田舎から出てきてと答える
行き場がないのでぶらぶら散歩する
■とみは紀子のところに、周吉は尾道時代の旧友に会いに行く
飲み屋で、軍艦マーチが流れる、戦争は懲り懲りじゃ、旧知の仲の三人で飲む。その後沼田(東野英治郎)の馴染みのこじんまりとした飲み屋に移動、
沼田は周吉にあんたが一番幸せじゃとグデングデン、服部は酔って寝てしまう。沼田は自分の子供に不満タラタラ、親の欲じゃ、親殺す奴もおるんじゃから
■とみは紀子のところに泊まって、肩を揉んでもらう
昌二の布団で寝られるなんて、亡き次男を思い出す
とみは紀子に昌二は死んで8年も経つのに、写真を、、あんたまだ若いんだし、いい人があればお嫁に、わしらに気兼ねなしに、わしらも辛いんじゃけ、あんたも年取るんだから
紀子はあたし年取らないことに決めてますからと微笑む
一瞬の真剣な表情の紀子、啜り泣く声
■志げの店に夜中とを叩く音、交番の警官だった。周吉が泥酔して帰ってきたのだ、沼田も一緒だった。志げはイライラする
■紀子はとみに小遣いを渡す、もう東京に来られるかどうか、あんたも尾道にきてよ
■尾道に帰る日、幸一と志げが駅まで見送りに来ている。
とみは具合が悪くなり、途中大阪で降りて敬三に会って泊まることにした
その後幸一あての電報で無事に尾道に着いたと知る。
一方で志げから電話でお母さんが危篤だって、でも10日には尾道に帰ったはずだけど
幸一に電報が、”ハハキトク キョウコ”
志げはお母さんあんなに元気だったのに、、行かなきゃいけないかしら、、、虫が知らせたのね、そうねえ、、今夜の夜行で行こう、喪服どうする?持ってこうか
■京子が幸一たちを迎えに行った、敬三遅いわね、、大阪からだから一番早いと思ったのに、幸一は父と志げを個別に呼び出す(京子は無し)、
明日の朝まで持てばいい、、そうか、、いけんのか、、おしまいかのう、、敬三も間に合わんか、翌朝紀子もきた、とみは大往生だった
涙ぐむ志げ、京子、紀子
志げは紀子と京子にあんた喪服あるの?借りてきなさい、敬三が遅れて到着
お経、通夜の席を敬三は中座する、紀子が気にすると
敬三は木魚の音でお母さんがどんどん小さくなっていきよる、孝行せなんでなあ、、今死なれたら叶わんわ、、、
■家族での食事、周吉が席を外した時に志げはどっちかといえば、お父さん先のがよかったわねえ、、
お母さん一人ならなんとかなるのに
志げは京子に絣の着物あったわよね、形見に欲しいの、出しといてよという
熱海でふらっとしてのう、幸一と志げは今晩帰る、忙しいのよ、、
、敬三も野球の試合もあるんで、、京子あたしにご飯、、俺も、、はい
結局紀子だけ数日残ることになった



<💢以下ネタバレあり💢>
■京子は紀子に愚痴る、兄さんも姉さんも勝手よ、、言いたいことだけ言ってと京子は怒っている、宥める紀子、誰でも親から離れるのよ、いやね、世の中って
さよなら、きっと夏休み東京に来てね、さっと、、振り向き、、片付け
周吉は紀子に世話になった礼を言い、もう晶二は忘れてええ、あんたみたいないい人はいないよ
わたしずるいんです、、この頃思い出さない日さえ、いつまでもこのままではいられない気がする、母さんの時計をもろうってやっておくれ、、幸せを祈ってるよ
いわば他人のあんたの方がよっぽど良くしてくれたよ
■京子は授業をしている、窓の外には東京行きの汽車が見える、紀子はそっと時計を取り出してみる
■家で一人で佇む周吉、近所のおばさんが声をかける
ーーーあらすじ終わりーーー




🎥🎥🎥
この老いた親との距離感、葬儀の対応とかリアルすぎ。胸に手を当ててみれば自分は幸一であり志げであり敬三であると思うので、そんなリアルな内面を見せつけられるような感覚。
結婚して家庭をもつとどうしても親との距離は離れて優先事項が妻と子になるのはしょうがないんだよなあ。

また自分は末っ子ではないが、末っ子ならではの辛い感じもよく描かれている。とみの死期について幸一は父の周吉と志げだけを呼んで伝える。日頃から世話をしているのは京子なのだが、、そこには呼ばれない。志げにしてもご飯の時などは京子を使用人のように扱う。

映画としてはそれを周吉(笠智衆)の達観した雰囲気で包み込んでいる。
今作の笠智衆はかなり笠智衆度合いが高い。老人役を演じているからだろうか、その棒読みの達観ぶりが際立つのである。
とみの死期を聞いた時も、そうか、、いけんのか、、おしまいかのう、と呟く。

紀子(原節子)は菩薩のように優しいのであり、とみとのやり取りなどはグッと来るのだがほんの一瞬深い闇を見せる時がある。
とみが紀子に自分たちに気兼ねせず嫁に行って欲しい、あんたも年取るんだからというと紀子はあたし年取らないことに決めてますからと微笑むところで、とみが横になって視線から外れるとほんの一瞬険しい表情になる。
この温かいシーンに不釣り合いなぐらい強い眼差し、紀子の内面は外からはわからないのだが何か闇を抱えているのだろうか。

また、最後に京子に対し大人としてのアドバイスをし東京に遊びにきてと別れた瞬間、即くるっと踵を返し奥の方を向いて荷物を片付け始める。
凡庸な映画だと京子が去ってしばらくは見守る、、みたいな風に作ると思うのだが小津は一瞬でスイッチを切り替えたような行動を取らせる。
まあこの辺は僕の勘ぐりすぎかもしれないけど、菩薩のような紀子の笑顔の裏に闇のようなものを感じてしまうのである。
その点まだ形見が欲しいという志げの方が露骨すぎてわかりやすいと言える

小津調の空間設計も随所に見られるし、なかなか音響面も面白い。「秋刀魚の味」につながる海軍行進曲の使い方、まだ自宅でとみを見送る敬三の表情をカメラが捉える場面で続く通夜のお経が食い気味に流れる時間感覚などちょっとしたシーンだけども工夫がある。

世界的にも小津の代表作とされている本作は、確かに他の同時期の作品にあるような偏執狂的なところが少なくて見やすいので小津入門としても良いし、長く小津映画を見ている人もやはりまたここに戻る魅力がある。
eriko

erikoの感想・評価

4.5
原節子は「演技している演技」をしているんだろうなあ。
Jiyong

Jiyongの感想・評価

4.3
大好きな映画。普通に泣く。

サイレント映画かってくらい画面が強い。
会話してる人物を写したり、カメラが固定だったり、演劇みたいにも見えるけど。
モンタージュよりも画面の構図を大切にしてるから、家具や風景の線の使い方が凄い。ミリ単位でカメラの位置に拘ってるんだろうな。
皆が過ごす居間もその手前の部屋から移すことで奥行きがうまくいかされてるし、全体的に奥行きをうまく使った絵作りだったと思う。
家族全員が収まる画面での役柄との対比や三角形の使い方など、その辺は細かく分析してる論文でも読んで欲しい。

老夫婦が2人で並んで海を眺めるシーン、好き。
向かい合うんじゃなくて、同じ方向を向く。けどその先には家族はいない。っていう切なさ。
僕は絶対、息子娘たちと同じ冷たい人間だと思う。
封建的でもないし、保守的でもないし。家族だから絶対大切にしなきゃいけないとも思わない。
この老夫婦は、「何もしなくていい、そこにいてくれればいい」っていう微かな願いも届かず、なんかうまくいかない。だけどこの夫婦は絶対に愚痴を吐かない。娘にちょっと軽口叩かれても、箱根に追いやられても、その先で騒々しい夜を過ごしても、悪口を言わない。それが封建的ではなくて、嫌味を感じなかった。

戦後の評論家たちには「時間の流れが遅い」と言われていた小津安二郎の映画だが、ヴィスコンティのような「貴族の時間の流れ」を感じず、老夫婦の時間の流れに近い感覚があった。だから嫌いじゃないのかも。

笠智衆の演技がめちゃくちゃ良かった。当時40代?のはずなのに完全におじい。
Shusaku

Shusakuの感想・評価

4.5
熊本の誇り
HM

HMの感想・評価

4.2
小津を観ていないのか!あり得ない!的なことを以前海外で言われてしまい、やっと観ました。この時代の映画は飽きるかな〜と思ったけど、流れるように最後まで観賞できた。白黒だけど美しさを感じる映像。特に低いアングルが印象的で、畳の部屋と蚊取り線香の煙が綺麗だなと思った。家族の距離感は何とも言えないけど、なんか雰囲気は分かる気がする。戦後の日本、もっと知りたいと思いました。
maho

mahoの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

年取らないことに決めてますから。
そうか、お終いかのう。
わたくし狡いんです。
sibao

sibaoの感想・評価

3.6
今の大学生くれーや、ツーブロック20、30代でベストに挙げてる奴らに問いたい。
ほんとにお前らのベストがコレなんかね?

お前らのおばあちゃんより、原節子でさえ生きてたら一回りも二回りも三回りも年上よ。お前らはお前らなりのベストでいいんだよ。ほら、ボヘミアンラプソディーとかインターステラーとかさ。いろいろあんじゃん。
小津ネームと著名人のベストに踊らされるなって。
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