東京物語の作品情報・感想・評価

「東京物語」に投稿された感想・評価

小津4Kでみた。

空気枕のくだり、ああいうのが好き。

冒頭は眠かった。

人間関係を把握できたあたりから面白くなってきた。

杉村春子が喪服のはなしや形見の話を遠慮なくするところが良かった。

香川京子が可愛かった。
ロングスカートと白くて薄い靴下が良い。
神映画やた、遠い目の描写って日本独特の古典的表現技法じゃない?
さら

さらの感想・評価

5.0
「家族じゃないあなたが一番優しくしてくれた。」
sama

samaの感想・評価

4.0
せつない。日本人らしい人間模様をきれいにしっかり、丁寧に映し出している。
Hiromasa

Hiromasaの感想・評価

4.0
老夫婦が旅行したりするこれは、やっぱりいいと思ったよ(あんまり覚えてない)
紀子が老夫婦に優しくできたのは、語られていないけれど、会社勤めであることと、独り身であること、この2点に拠るところが大きいと思うのです。自営は仕事を休めば稼げる日銭が減るわけだし、息子/娘である前に夫/妻であるわけですから。
初めての「東京物語」を僕は立場の近い紀子の視点で鑑賞したけれど、10年後、20年後、親孝行の期限が近づく頃に再び観たら、きっと別の表情、台詞に共感するのでしょう。
ロー・ポジションであるということ。

小津調と呼ばれる独自の演出法。
子供の頃は、それがどうした、なんてつまらない映画なんだ、高く評価されてる理由がさっぱりわからない、なんて思ってた。
年齢を重ねて、『志民ケーン』などの名画にも触れてみて、少し自分なりに映画の見方を勉強し直してみたところ、この作品に対する印象がガラッと変わってきた。

それは、人の心を察するということ。

物語はなんちゃない、ありふれたよくある話しなんだろうけど、そこから伝わってくるもの、心に響くものが抜群に違ってた。
カメラは動かず、フレーム内に収められた人物がほとんど正面でとらえられる。奥行きだけが変化して、時おり表情のアップが挟み込まれ、それを低い位置から胸の内を覗き込むようにして見つめていくことになる。相手の目を見て話す、そんな当たり前のことと同じような感覚。この映像には、人物の心情面が視覚化されている。余計なものに意識がいくことがないから、否が応でもこの点に意識が集中させられる。

人はどんな人間関係を築いて生きていくべきなのか。そんなことを考えながら、ここでの原節子さん演じる紀子の姿を眺めていると、次第に日々の自分自身が恥ずかしくなってきた。残念ながら共感というか、思い当たる節を感じざるを得ないのは、紀子以外の血の繋がった家族たちの方。年老いた両親を厄介者扱いする息子たちの有り様。彼らと対比される形で見せつけられる紀子の対応には、おもてなしの心があり、自分のことを差し置いて人のことを悪く言ったりすることはない。出会った人との関係を大切にしていて、人と繋がっていることに喜びを感じている。ストーリーが終わりに近づいていくほど、この部分がどんどんと増幅されていき、最後には観ているこちら側の感情もグワーっと込み上げてきてしまった。凄い演出にやられる。
紀子は何を考え、何を思って生きていたのか。まだまだその心の部分を本当の意味では理解できていない。だから、この映画は何度も何度も。その美しい心を薬に、自分の醜い内面へと塗り込ませたいから。

もうすぐ平成も終わるけど。
この映画がどれだけ世界から称賛されようとも、この昭和の空気は日本人だからこそ感じとれるもの。
だけど、小津監督が残してくれたものは、あまりにも偉大すぎるから、近くに見えてるようでいて、やっぱりまだまだ遠くにあるままのようだった。
おっと

おっとの感想・評価

4.0
時間と移動を心の距離に置き換えた映画なのかなと感じた。
広島、大阪を経由して東京(帰りもある)という移動がこの映画の時間の流れの中にはあるはずなのにそれが描かれることはない。移動が映らない。
家族離れていても心の距離は近いということなのかなと。
また、はじめに夫婦二人が荷造りをしているシーンがラストではおじいさん一人になっていて、はじめと終わりの映像が対になっている。
その「対」の映像が「時計」をきっかけに始まるので、この映画の鍵が「時間」なのかなと思った。

会合があるけどそれを説明するのが煩わしいから熱海に行かせたなど「悪意のない悪意」って人間には必ずあると思っていて(ひと昔前お世話になった人に言われてすごく心に残ってる言葉)それをこの家族の子供たちが表しているのが悲しかった。
悲しかったけど、東京に来た二人は自分たちの子供だけど手を離れていって心の距離感も変わると考えている。
それはたぶん人間の中で一番の付き合いの長い人間だから。

息子の嫁でやってきた義理の娘が「言わば他人のあなたが子供たちよりもよく尽くしてくれた」のは褒め言葉のようで心の距離感を端的に表した言葉だなと感じた。あくまで他人だからまだ心の距離が近く、遠慮があり、尽くす。
日本人のおもてなしってそういう心の距離感を無意識に表すものだよなと改めて気がついた。
やたら家族の話に首突っ込んでくる近所のおばちゃんも「窓」という境界線を引かれていて、あくまで「外」の関係に位置している。
これらについて作品の中で説明があったり、語られたりするわけではないけれど、見終わって考えるとそう気がつかされる。
たぶん、日本人が無意識で感じている、考えていることが映像で計画的に収められているのだと思う。

冷たくされても(子供たちはちゃんとおもてなししてるつもりだけど親にはバレている)孫よりも子供たちのほうがかわいいと言える両親がすごく素敵だなと思った。
途中少し子供たちに対する「変わったなぁ」という愚痴はあるけれど、いつまでも子供はかわいいものなのだと。

ドラマティックさもなく、アクションもない映画だけど「生活」を映し「心」を映し「日本人」を見事に撮りきった作品だと感じた。


映画のタイトルに「東京」とあるように、東京住まいの子供たちが合理主義的な時間の感覚で生きているなと感じた。
両親と時間の流れ方が全く違う。
それを表しているのが東京のバスと尾道の景色に映っている船かな。
東京に着いたあたりから、年齢の問題だけではない両親の動きのゆっくりさが目立っていて「この二人は東京と流れる時間が違うんだ」と思わされた。その時間の流れの違いは最後まで感じていたけれど。
「私にもしものことがあったら」という仮定のいつかの話と、「母親の葬式の前に形見が欲しい」は物事を考える速さが根本的に違っている。
その対比が見事な映画だと思った。
取り立てて目立つセリフがあるわけではないけど、一言一言が重く心に残る。だから対比として考えることができるのだなと。

下から全身を映す固定されたカメラで撮る日常の映像は、生活を覗き見しているようで、あくまで普通の「生活」を切り取っただけの映画だけど、エンタテインメントを感じた。
ドラマティックさは作るものではないのだな。

すごく心に響く作品だった。
mikoyan358

mikoyan358の感想・評価

5.0
2018/11/11再鑑賞
4K修復版のスクリーン上映にて再鑑賞。両親が東京を訪れ、子供たちが出迎えそして...という、ドラマチックな展開がほぼ皆無の「日常の延長線上」。しかしながら、登場人物たちの会話、思惑、感傷など至る所に自分の人生の記憶が呼び覚まされるような共通の要素が散りばめられ、こういう奴いるよなーこういう事あるよなーとしみじみ思えるようになっている。最初に観た頃には子供たちの側に近い視点だったが、笠智衆の撮影時の年齢にごく近くなった今回は両親に半端ない共感が生まれるほど、年齢によって違う琴線に触れる作品でもある。まだ幸いにして孝行したい時に親がいる身として、彼らみたいに面倒くさがらずに(笑)心を込めて感謝を返していきたい。

2008/10/22鑑賞(鑑賞メーターより転載)
最初に観た時、小津映画とはどんなものかと半分期待、半分疑いながら観始めた。映像も特段派手な部分はないし、会話が淡々と続くのを横にいてずっと聞いている感じだったが、生き様・考えること・悩みなど、言葉にも映像にも明示されていない空気が不思議と明確に感じ取れ、終わってみれば登場人物たちの人生が自分の手元に残った。観終わって楽しかったとかそういう類の感想を持つことはないが、この映画およびこの監督と知り合えてよかった、と心底思える。派手なおかずでもデザートでもなく、日本人にとっての「お米のご飯」的な秀作。
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