Moeka

拘束のドローイング9のMoekaのレビュー・感想・評価

拘束のドローイング9(2005年製作の映画)
3.7
マシューバーニー、さすが現代芸術を駆け抜ける男...あまりに独創的で過激な表現を用いるからそのクライマックスになだれ込むのは唐突な気がしてならないが舞台、描写、細部にわたって官能的で物悲しく美しいと思う。これはおそらく鯨の恋人達が船に捕らえられ解体されてしまい、互いの体を食らうという手段で慰めと救済の処置をとろうとしたのでは?と私は解釈している。液体に包まれ溶け込んでゆく過程、工場船という創造の舞台で迎える死と変容、再生、悲痛でエロティックなもうそうそうみようとは思わない美しい作品だった。
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