明石です

ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグの明石ですのレビュー・感想・評価

4.1
メディアによる情報操作の裏側を描いたブラックコメディ。主演はロバート・デニーロとダスティン・ホフマンと豪華な2人の顔ぶれ。監督は「レインマン」のバリー・レヴィンソン。これはよく出来た映画ですね。なぜ評価が低いのかわからない。私的には大傑作。

政府の人間が、大統領の不祥事(少女への暴行)を隠蔽するためにアルバニアと戦争を起こすというかなりハードな情報操作。それもハリウッドのプロデューサーと結託して、戦争のきっかけとなるテロ活動を捏造する、、優秀なメンバーを集めて戦争をでっち上げていく過程が新鮮で面白い。情報ってこんな簡単にそ操作できるのか、、と驚ちみゃった。まあ実際アメリカは歴史の中で戦争のきっかけをでっち上げたことが何度かあるから(トンキン湾事件とか、ボストン茶会事件もかな?)、完全にフィクションとは思えないところが怖いですね。しかしこんなの見せられたら、もう何が本物で何が偽物かわかったものじゃない。あとこれ、アルバニアの人が見たら怒るだろうなあ笑。

本作は言うまでもなくキャスティングが最高。終始ふざけた雰囲気のダスティン・ホフマンと、堅物だけど倫理観がバグってるデニーロ。良いコンビだ。。2人は「ミートザペアレンツ2」でもやんわり共演してましたが、やっぱりタッグを組んでる時の方が光ってる気がする。役柄のイメージがとことん対象だもの。

こういうサイコっぽい役のデニーロ大好き...。「他言したら君は殺される」と笑顔で言う感じ、デニーロだ!って思う笑。もちろんこの映画はダスティン・ホフマンも輝いてますね。プロデュース業に首ったけで倫理観なんてものは二の次三の次という、ちょっとイカれてるけどやり手の芸術家。ダスティン・ホフマンは間の抜けた人間の役よりも、個性的で天才肌の変人役の方が好きだなあ。

あとヒロインのアン・ヘッシュが素敵。ショートボブの髪型がお美しい。クールな目つきや頭の回転が早そうな雰囲気、力のある組織とかにいる何でもこなせるナンバー2的な立ち位置がよく似合う。

ちなみに「なぜ犬は尻尾を振る?それは犬が尻尾より賢いからだ。尻尾の方が賢けりゃ、尻尾が犬を振る」という冒頭の名言(屁理屈っぽいけど笑)はそのまま物語の説明になってました。表に立つ大統領はただの尻尾で、それを振るのがデニーロやダスティン・ホフマンが演じたような人間...本当によくできたブラックコメディ。とにかく濃密な90分間でした。

——好きな台詞——
「映画のプロデュースは配管工事と同じ。いい仕事をするのが当たり前。ドジると非難の矢」
「ジョーズが映画の最初に登場するか?」
明石です

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