Kyasarin

玄牝 -げんぴん-のKyasarinのネタバレレビュー・内容・結末

玄牝 -げんぴん-(2010年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

吉村医院と言う自然分娩、畳の上での昔ながらの出産を推奨する病院とその医者と助産師と患者のドキュメンタリー。妊婦は薪割りをして雑巾がけをして出産の時を待つ。畑仕事をお手伝いするほのぼの妊婦さん、出産直前に夫が失踪してしまった妊婦、中には自然に分娩を待つため超過してしまい心停止で死産になってしまう妊婦も居たり、その後の流産も自然排出を待つ。ワンマン経営の院長は独自の考えが強く、それも一理あるが助産師の意見も聞いて欲しいと言うシーンが印象的であった。院長の娘との小さな確執。強い最後に院長泣いちゃってたし。自然分娩、母乳育児には色々な考えがあるし、突き詰めると色々論争になるからそこは触れないけれど、私自身も助産院で産みたいなとか思ったこともあったりしたのでその考えを知ることが出来て良かった。生死観についても腑に落ちる説明があってとても良かった。映画では、出産の瞬間や性器をしっかりと映すことはあまり見ないけど、この映画ではしっかりと映す。出産シーンはどの妊婦さんも感動して泣いてしまったし、神秘的で、尚且つセクシャルなシーンになっていて出産と言うよりはセックスに近いシーンの様にも感じた。みんな口々に出産中「気持ちいい」と言い、出産直後は「ありがとう」と言う。後で助産師さんが仰って居たがセックスをするから子供ができる、女性の身体は膣で男性を受け入れてそこから子供を出す、愛しい人を受け入れて愛しい人を生み出す、的なことを仰って居て妙に納得した。世間一般では出産は痛くてつらいもの、と言うイメージがあるが吉村医院は出産を楽しむ場所、の様にも感じた。レビューでは自然分娩ばかりにこだわってる、宗教的、とあったがそこまでは思わず、ちゃんとリスクや他の医療や帝王切開に頼る必要性もチェックされていたので良かったと思う。私自身も出産は楽しかったし、痛みに強い身体だからなのか大してそこまで痛くもなかったしつらくもなかったのでまた妊婦になりたいなって思った。人間が生まれることって本当に奇跡。女性監督だからこそここまで切り込めた作品になったのかもな、とも思った。前の方でリアル妊婦さん(多分臨月近くの)が鑑賞されていたけれど、どんな気持ちで出産に挑むのかなと思っちゃった。
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