《スポーツの映画》、Vol.17。ボクシング③。
シリーズ3作目にして、あのテーマトラックに続き名曲が生まれる。『Eye Of The Tiger』。
もうこの曲がかかると、胸の内に眠る闘志が湧き起こってくる。
この映画にぴったりで、この曲が物語を盛り上げ、物語がこの曲を盛り上げる。
ここまで相乗効果を生むテーマ曲はなかなかない。
前作でついにアポロへのリベンジを果たし、ヘビー級のチャンピオンに昇り詰めた“イタリアの種馬”ロッキー。
本作では10度の防衛を果たしていくうち、マネージャーのミッキーの暗躍の中で、ロッキーが知らず知らずのうちにハングリー精神を欠いてしまう。
そんな時に現れた新たな挑戦者、クラバー。
その黒人のタフな挑戦者はハングリー精神の塊。
そう、彼はまるでアポロと鎬を削ってた頃のロッキーそのもの。
いつしかロッキーが当時のお祭り男のアポロのようになり、かつての自分の亡霊のような荒ぶる挑戦者に叩かれる、、、。
この3作目には大きな転機がいくつも盛り込まれてる。
ミッキーとの別れ、アポロとの友情。
この2つが象徴的で3作目でマンネリ化するかと思いきや、まったく勢い衰えるところなし。
この3のラストのロッキーとアポロが誰もいないジムのリングに上がるシーンは、このシリーズで1番記憶に残るシーンかも知れない。
何度も言うが、1の時にすでに“ピークを過ぎたボクサー”だったロッキー。
ここで頂点と栄光と挫折と絶望を一気に経験し、人としても、ファイターとしても、まだまだ成長し、次の1歩を踏み出し、またまたどん底から諦めずに這い上がらんとするド根性の物語。