ホイットモア大統領

ロッキー3のホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

ロッキー3(1982年製作の映画)
4.7
『クリード 炎の宿敵』に向けて鑑賞②

前作後、再びスターになったロッキーは10度の防衛に成功。妻子と共に幸せな生活を営み、今度こそ引退と決意していた。
そんな彼に新進気鋭のクラバー・ラングが挑戦状を叩きつける。挑発に乗るロッキーだったが、衝撃の真実と別れが待ち受けていた…。

個人的ベスト・ロッキー!!!
辛くなった時は必ず本作を見ます。

当時完結編として製作された本作は、「人生の困難」「立ち向かう勇気」といったシリーズのテーマを継承しつつ、絶妙なさじ加減でエンタメ要素を付与している。このエンタメ感覚が未だにスタローンをアクション俳優たらしめ、我々へのサービス精神を欠かさないことに起因していると思う。

さらに、あのアポロをも上回る敵として、Mr.T演じるクラバー・ラングが登場!!!
彼に関して劇中で多くは語られないが、ネイティブ・アメリカンを想起させる風貌に、ハングリー精神むき出しの顔(ドアップ多し)、トレーナーを付けず独学とストリートで経験を積んできたハードパンチャー…という飾り気のない強さと設定は、俺の心のクラバーを鷲掴みにした!!

とはいえ本作はやはり、“アポロ” と “エイドリアン” の2人に尽きる。

失意のロッキーの耳元で「Eye of the tiger…! Eye of the tiger…!!!」と囁いてくれる宿敵がどこにいますか!?
自らのテクニックを伝授し、一緒に海岸を走ってくれる親友がどこにいますか!!?
ここにいます。そう、アポロがね。

2度拳を交えた男が、“昨日の敵は今日の友” としてトレーナーにつく。こんな胸熱展開はない!!
カール・ウェザースは『プレデター』のディロンと併せて、「親友になりたい男80年代ランキング」TOP3です。

そして、エイドリアンである。

無口で人見知りで、ロッキーにナンパされても目も合わせられなかった1作目。
心労と過労で床に臥していた2作目。
そんな彼女が、ボクサーの妻としての覚悟を持ってロッキーに食ってかかり、叱咤激励する浜辺のシーンは、上記の流れを知って見ると涙せずにはいられない名シーン。夫婦の理想の形がここにある。

…とまあ、本作に関しては無限に書き続けられるので、完璧過ぎる最後も「好きなラスト・シーン」の5本指に入るとだけ記して終わりにします。