矢吹

狂った一頁の矢吹のレビュー・感想・評価

狂った一頁(1926年製作の映画)
3.9
和楽器の妖しさ儚さ美しさ。
オーバーラップの揺蕩い。
音楽と映像の調和。言葉のないミュージカルで歌舞伎で能で狂言。
テキストゼロのサイレント映画。
日本初のアヴァンギャルド映画って響きかっこ良すぎないですか。
なんだこの凄みは。
1926年。ポチョムキンに通ずる凄みを、振り返って思う気がするのは、完全にフィルターっすけど。まあ単純にサイレント映画の圧力と重みっていうこともあるし、あとはあれか、残ってるってそういうことだって話か。
とにかく、100年前と知ってから見なくてよかった、とも思う、逆にね。面白かった。

笑顔の能面と舞踊は素敵素敵。
めでたしめでたし。
福引、お祭り、車車。騒がしさと寂しさのスーパーコンボ。精神病棟の妻と見守る夫。
声は聞こえないし、読めない。テキストゼロであるところはポチョと違った分、答えのない叫びが聞こえた部分はより楽しめた。感じたの一箇所だけだったけれど。
なんか、もっとガッツリ見るやつだった。
またみようかな、短いし。
難しいけど、それがいい。それでいい。
どこからどこまでが、現実かわからない画面と説明のなさ。
誰が病気かっていうとあいつもそう。こいつも。この手の映画はこの結論に行きつきがちだけど、好みのタイプです。
そういう解釈に行きつきがちだ。失礼しやした。
なんかサイコパス診断テストみたいなもんか。そんなわけないけど、解釈してみてください。で、いいのかな、いいか。鑑賞者の楽しい横暴さ。
原作読むのとはまたちげえんすよね。嬉しいな。
つまりちゃんと分かれてないから、このくらいで。
申し訳。
矢吹

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