足らんティーノ

狂った一頁の足らんティーノのレビュー・感想・評価

狂った一頁(1926年製作の映画)
3.8
1926年の作品ということにただ驚くばかり。
踊り子の狂乱するオープニングの革新性にやられた。

過去と現在、幻想と現実、狂気と正気が交錯していてストーリーはかなり分かりづらいのでwikiを参照。
ただ映像としてだけでも十分に楽しめる。
音楽も非常に良い。(製作当時のサイレントバージョンだと印象がかなり違ったと思う)

〈メモ〉
衣笠が横光利一や川端康成などの新感覚派の文学者と結成した新感覚派映画聯盟の第1回作品で、日本初の本格的な前衛映画(アヴァンギャルド映画)である。

撮影終了後に川端名義でシナリオが雑誌上に発表された。

映像の純粋性をねらう横光の提案により、サイレント映画でありながら全編が無字幕となっているが、実際の上映には活動弁士の説明が伴っていたため、映像の純粋性を保持することはできず、その点は公開当時に識者から批判された。

公開後、本作は長らく失われた映画と考えられていたが、1971年(昭和46年)正月に衣笠の自宅の蔵から偶然フィルムが発見された。衣笠は自らこれを再編集し、新たに伴奏音楽を付けた「ニュー・サウンド版」を製作。

2022-675
足らんティーノ

足らんティーノ