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狂った一頁のhorahukiのレビュー・感想・評価

狂った一頁(1926年製作の映画)
4.0
主人公のDVで精神病院に入院した妻。主人公はその贖罪のために、妻がいる病棟で小間使いとして働いている。そこへ娘が面会に来る。娘は金持ちと結婚できそうなのに母親が精神を病んでるために、うまくいっていない様子。妻を病院から逃がそうとしてもうまくいかず、主人公は、全てがうまくいった世界を空想し始める…という話。

字幕なし、BGMありのサイレント映画です。
とある海外サイトで邦画ホラーオールタイムベストに入ってたようなので見てみました。これはトンデモない映画!でも、前半見ても全く内容を追えなかったので、wikiで補完してから見直しましたf^_^;

1920年代の映画なんですけど、この時代でこんな映像が撮れるのか!ってとこにまず驚きですね。映像で最後まで惹きつけられる作品です。それとBGMも特徴的。何から何までとにかく不気味です。

内容的には、かなりヤバ目ですね。精神病院に入院してる患者の狂人ぶりが特に…。中でも終始踊り続けてる患者のインパクトは凄い!古いしサイレントだし、とっつきづらい作品ではありますけど、割と物語的にはシンプルで、上のあらすじを頭に入れてみれば問題なくストーリーは追えると思います。

主人公の、行き詰まってしまった人生の苦しさ。だからこそ、終盤の全てが上手くいく空想が悲しくなりますね。娘の結婚、そして自分自身の人生の好転、捨て去りたい現実。誰でもする空想だと思いますが、この作品の空気感と相まって重々しくて強烈。主人公の現状は、自分で蒔いた種でもあるのでしょうが、時代的にも色々あったのかな〜と想像してしまいます。 ラストシーンも切ないですね…。
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