カナザワ映画祭2019「萬國癩狂博覧會」in 新潟上越高田世界館にて活弁伴奏付上映にて鑑賞。
以前にCSのドキュメンタリー「ストーリー・オブ・フィルム」で取り上げられていたフッテージを観て以来気になっていた映画。
同じく活弁伴奏付上映の「カリガリ博士」と何方を観ようか迷ったが、この形態で観られる機会の希少性を考えて今作を選択。
映像自体今の眼で観ても古びない鮮烈さがあるが、より興味深いのは活弁伴奏付上映という形態。
完全無字幕の前衛映像は、それだけだと観客をおいてきぼりにしてしまうが、かと言って弁士が懇切丁寧に説明しすぎると、元々はそれのみで語る筈だった映像の力を削いでしまう。
今回の上映では、弁士が朗詠調で映画の夢幻的な世界を保持しつつ、ストーリー進行の解りづらい部分は的確に説明し、一方映像の力が強烈な見せ場では殆ど無言で進行する等考え抜かれた匙加減。
伴奏も今回の上映の為に創られたオリジナル楽曲で、夢とも妄想ともつかぬ日々が延々繰り返されていくループ感が上手く表現されていた。