永遠のディズニーラバー

犬と猫と人間との永遠のディズニーラバーのネタバレレビュー・内容・結末

犬と猫と人間と(2009年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

昔、私が幼かった頃、
家の近所に出産したばかりの母犬だけが、
電信柱にリードでつながれ、
捨てられていました。

私は動物が大好きで、
家では昔からいろんな種類の動物がいて、
でも当時犬が飼えなくて、
一生懸命その犬を飼える人がいないか、
近所中を姉と母と一緒に訪ねて歩きましたが、
もらい手もなく、うちで飼おうといっぱいお願いして、
そうしているうちに一台の車が来て、
その子を連れて行ってしまいました。
私は貰い手が見つかったんだと嬉しくなって、
その子が見えなくなるまでずっと車を眺めていました。
だけど、その子の目が寂しそうで、不安そうで、
今にも泣きそうで、どうしてだろうと思っていました。

多分それが保健所の役員の人だったのだと思います。
私は小さくて何も知らなかった。
でも、あの子の瞳だけは
あの瞳が今も忘れられません。


だからこそ、この映画を見に行こうと思いました。
この映画を見て、自分が生きているのが悪い気がしました。
私は毎日ただ普通に暮らしているのに、
その一日を恐怖で過ごし、震えて、
ただ「死」を待っているだけの「多くの命」が
存在しているのに、
私はなんてひどい人間だろうと思いました。

あの子達からすれば、
私たちは醜く、残酷で、卑怯で、
自分たちの命を脅かすものにしか見えないのです。
それが悲しかった。

泣き叫び、震えている子が何匹もいました、
手を差し出せば、何の迷いもなく
ぺろぺろと舐めて、しっぽを振る子も
何匹もいました。
子猫はすぐに睡眠薬を注射されて殺されます。
避妊手術でのもうすぐ生まれるはずだった胎児を
体外に取り出し、だんだん冷たくなっていくのを
肌で感じ取っていました。
狭いトラックの中、酸素を抜かれ、
苦しんで死んでいく子達。
子犬や子猫は酸素が薄くても生きれるそうです。
だから、生きたまま、大人の子たちと共に
焼かれるのだそうです。

なんでこの子達が殺されなければならないのか、
わからなくなりました。
なにも悪いことをしていません。
苦しんで苦しんで、死んでいくのです。


私たちの「勝手」によって、
一日約1000匹も犬や猫が殺されている
ということを意識して、
これからどうするかを
もっと考えていかなければならないと思った。

ですが、同時に私達の中にも、「良い人」が
存在するということを知れてとても嬉しかった。
殺される犬や猫たちを保護して、
里親を探す施設もあるということを
知ることができました。
実際、経営が成り立っているのかどうかは
わかりませんが…
そういう施設があることが、ただ希望を与えてくれました。


今日はクリスマス。
私たち人間は、恋人や家族と
温かいところで、おいしいものを食べ、楽しく過ごすのでしょう。
ですが、私たちが楽しく過ごしている間にも、
「尊い命」が寒く暗い所で、残酷に奪われていることを、
思い出してください。

この映画を見て、いろいろ感じることができました。
確かに、明るく楽しい映画ではありません。
でも、年齢、性別、国を問わず、いろんな人に見てほしいです。
私のようにいろいろ感じることがあると思います。
自分の目で見て、心に感じて、
いろんなものに触れていってほしいと思います。
「事実を知る」ということがどれだけ大事かわかります。
問題を「知り」、「向き合って」ほしいと思います。
現実から目を背けないでほしい、
たとえそれがどんなに残酷でも。

とてもいい映画でした。



これは昔私が映画を見てすぐ書いた感想。
ヤフーの役立ち度レビューで、ありがたい事に今でも1位になっている。

こんな精神的に追い詰められるような映画を観る人の絶対数が少ないから、というのが大きいからかもしれないですが。

今でこそ〇〇動物園とかで、保護犬・保護猫とか言われていますが、ついこの間までは、そんなこと知らない人がほとんどで、冷たいコンクリートの壁に囲まれて数日を過ごし、狭い部屋にギュウギュウに押し込まれ、窒息死されてきた罪のない命が蔓延っていたのだから、、、

ただ動物が大好きで、動物を家族に迎え入れたいと思う人達の欲望が、大量の死によって成り立っている、という悲劇を、目を背けずに、ありのままを全力で伝えてくれる映画です。

貴方がペットを飼っているなら、必ず観るべき。
ましてや、引越しや多頭飼育崩壊しそうな人は尚のこと観るべき作品。

一日も早く、この現状を改善すべく、貴方のできることから、始めていきましょう。