80年代の青春映画なんてロクなもんじゃないと思ってましたが、なんのなんの。大人に反抗してダンスを踊って「わーい」なんて能天気な映画なんかはなく、なかなか深みのあるドラマでした。
主人公のレンは決して無軌道でも暴力的でもなく、あくまで大人のルールと手続きの中で自らの主張を実現させようと試みる。タウンミーティング(?)で聖書の引用を持ち出すシーンは白眉で、彼のクレバーさは際立っています。
また、反動的な大人の象徴として描かれる牧師は、もともとはリベラルで良識のある人物なんですが、息子を事故でなくした経験から頑なになっているという陰影のある設定。彼の苦悩もしっかり描かれ、ドラマにとても奥行きがあります。
ちなみに、テレビ番組で納豆の映像のバックでよく流れる「ネバネバネバネバ」という超ダサい曲がこの映画の曲だったことがわかったのも収穫。