かすとり体力

釣りバカ日誌9のかすとり体力のレビュー・感想・評価

釣りバカ日誌9(1997年製作の映画)
3.9
来ました。大傑作回です。

まず目を引くのが作品の時間。これまでだいたい1時間35分程度だったのが2時間弱に。
ジャンル映画でこの長さはどうだろう、と最初は思ったものの、結果、必然性のある時間設定だった。

シリーズ初期は「軽薄なコメディー」で始まった釣りバカですが、徐々に徐々に、「男はつらいよ」的な「深みのある喜劇」の色を増してきているなーというのが最近の感想。

そして、その傾向が本作に於いていったん完成した、と言っても過言ではないのでは。

まず、やはりなんといっても小林稔侍が素晴らしい。小林演じるハマちゃんと同期の馬場が営業部長となり、ハマちゃんの上司として赴任、というこの設定からして旨味が甚大。
そして本作、この設定を120%活かしているだけでなく、馬場の「誠実さ、真っすぐさ」みたいなところが、小林稔侍の「存在としての説得力」みたいなところと相まって、真正面から伝わってくる、という仕様に。

終盤の息子との食事シーンなんか、(「ほんとにそんな流れになるか?笑」みたいな視点をぶっ飛ばし)めちゃくちゃ感動してしまった。

雑感として、ハマちゃんの営業スタイルが観れるのもポイント高い。こうなると、ハマちゃん、営業成績自体は良さそうな感じだな笑 
それを上回るさぼり癖と事務処理意欲の欠乏により、仕事出来ない感じになってるのか。

以上です。
まさに「ヒューマンドラマ」。
シリーズを観てない人も観てみれば良いのでは。
かすとり体力

かすとり体力