ゆう

ボーン・アイデンティティーのゆうのレビュー・感想・評価

3.0
今作はなんとも不思議な映画です。お前を物凄く興奮させたのかと問われれば、必ずしも同意はできず、かといってじゃあつまらなかったかと問われれば、いやいやそんなことはないですと慌てて否定する。初見に観たときは、心のバロメーターが振り切るほど反応することはなく、ずっとその印象の作品でした。2年ぶりに見返したところでその印象が変わることはありませんでした。

しかし、一方でこの作品の持つ重要性に驚いてもいるのです。腕っ節の強さのみには頼らず、周りをよく観察し、冷静に判断し対処するボーンの姿は、敵がかわいそうになるほどの圧倒的強さに説得力を与えています。

そのボーンを討とうとする敵も熱心に任務に取り組む仕事人でいいね!だし、CIAがボーンを消そうとする動機も観る側をしっかりと納得させてくれます。加えて、ボーンの出自がわからないという緊迫感も作品の冒頭から付随しています。

今後14年も続くこのシリーズの骨組みをしっかりと第1作の時点で構築しているのです。そう考えると、この作品の重要性に気づく。けど数年後には(個人的)印象の薄い映画リストに追加してしまう作品でした。
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