ブタブタ

ワイルドバンチ/オリジナル・ディレクターズ・カットのブタブタのレビュー・感想・評価

4.2
ホドロフスキー監督が『エル・トポ』撮影中近くでペキンパー監督が『ワイルドバンチ』を撮影しており銃や衣装小道具等を貸してもらったとか。
ありがとうペキンパー監督。

『エル・トポ』パンフレットにはその他にも興味深い事が沢山書いてあって「血はストロベリーの味」血糊は舐めると美味しいとか、ホドロフスキーは傷口からでなく銃口から直接血が吹き出す様な西部劇を取りたかったと語っていますが「最後の西部劇」とも言われるワイルドバンチはまさにそんなエル・トポとは違う(エル・トポが西部劇のカテゴリーに入るかどうかは別として)そして既存の西部劇とも違う血塗ろエンターテインメント西部劇でした。

バキューン!と言う銃声・轟音をバックにスローモーションで撃たれた人が倒れていく所とか早いカットの繋ぎ、モンタージュ。
アクション映画の基本の基本、この映画がアクションの「編集」のお手本であり編集の天才タランティーノ監督始め色んな監督映像作家に多大なる影響を与えている偉大な作品何ですね。

減刑と引換に自分と同じ元囚人共を率いてワイルドバンチ強盗団を追跡するかつての仲間ソーントン。

ストーリーはシンプルでこの追跡を縦軸にワイルドバンチメンバーのロードムービーであり殺し殺されの破滅への道行きであり、クライマックスの4人対数百人の殆ど戦国無双かバイオハザードみたいな血塗ろアクションになだれ込む。

途中登場したメキシコ山岳民族が幅広帽子に白装束、ナタで武装し忍者のように神出鬼没でベトナム戦争でも『地獄の黙示録』のカーツ大佐が山岳民族を率いてゲリラ戦を展開したって話しが出て来ますが、揃いのスタイルの戦闘部族はスタイリッシュかつカッコいいです。

ワイルドバンチ強盗団もマパッチ将軍率いる政府軍もその基本行動原理は「金・酒・女」で善悪が混沌とした世界。だからこそ最後に「仲間の為」と言う「義」の為に立ち上がるワイルドバンチメンバーに燃えるのですが。
ブタブタ

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