ryosuke

快楽のryosukeのレビュー・感想・評価

快楽(1952年製作の映画)
4.5
「快楽」という邦題の割には可愛らしく、ちょっと物悲しい小話。
やはり人物の挙動としっかり絡み合ったカメラワークが魅力的。
第一部はお得意のダンスシーンが見られる。ダッチアングルも用いて映像に変化をつける。
第二部は建物外部、内部を自由に動くカメラワークが素晴らしい。ヒッチコック「裏窓」等と同様カメラワークを前提としたセットを組むことによって自在な撮影が可能となっている。ファスビンダー「ヴェロニカ」の建物外からの印象的な長回しもオフュルスの影響かもと思った。
電車内でフレーム内にピョコピョコ飛び出してくる足が楽しい。
ディゾルブは被写体の位置を揃えることで滑らかになる。
自然光の中での風景描写も美麗。 教会の鐘の音ってやはり映像にかなりの情緒性をプラスできるな。
第三部は家財道具を壊すシーンや飛び降りシーンなど比較的激しめのアクションがありこれもまた魅力的。後者のスムーズな目線カメラへの移行は素晴らしい。そこからぶつ切りの編集でのどかな海岸に移行して強烈なショックを与える。
語りの収束のさせ方も洒落ていて素敵。
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