ワルキューリ

今そこにある危機のワルキューリのレビュー・感想・評価

今そこにある危機(1994年製作の映画)
3.9
『レッド・オクトーバーを追え!』『パトリオット・ゲーム』に続くジャック・ライアンシリーズ第3作。

『パトリオット~』ではハリウッド映画にありがちな続編での家族愛要素がもろに足を引っ張った感アリアリで不満が残る出来だったのは否めず。
本作ではやや使い古されたものではあるが、政治家に翻弄されながら国家への忠誠の意味を問い直すという正統派テーマを扱い、使い捨てられる兵士と軍の重要人物の天命による死を対比させるなど抑揚が効いていて、タイトルは『パトリオット・ゲーム』と入れ替えたらぴったり合ったような…製作陣も後悔してそう。

悪役の印象が強いウィレム・デフォーが善玉をやる一方、この手の映画だと比較的善玉になりやすい合衆国大統領がどうしようもないクズ。未来を先取りしていたのか、それとも大統領とはいえ選挙目当ての政治家となればこんなもので現実に即したものか…皮肉に感じられるのも世の流れか。

続けて『ザ・ロック』を見たくなるのは理解してもらえると思う。