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今そこにある危機のニトーのレビュー・感想・評価

今そこにある危機(1994年製作の映画)
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よくあるアクション映画かと思って高を括っていたら結構毛色が違う上に面白くて嬉しい誤算。
何が面白かったのかというと、完全なる勧善懲悪ではないということでしょう。珍しい(というと自分の無知さを露呈しているような気もしますが)なーと思ったらトム・クランシーの原作小説がベースなのですね。読んだことはないけど耳にしたことはあったのでなんとなく納得。あーそれとウィキのあらすじ書いた人、順序おかしいぞ。

序盤からすでに同陣営の人間たちが大統領を含めそれぞれに異なる思惑を持っていて、お互いに(というと若干語弊がありますが)極秘裡に行動に移るのですが、状況が変化していくにつれて軋轢になっていく感じ。

観ていて思ったのは、人間の「感情」というものがいかに計画においてバグになるのかがわかるということでしょうか。そこに米国政府上層部や諜報組織というトップシークレットで権力を有する連中のパワーゲームであった場合、それがどれだけの規模になりうるのかという妄想かつシミュレーションとしての映画なんじゃないかと。

つーても、これからAI兵器が実装される際はそのへんがいかに重要なファクターになってくるのかとか、色々と語れる余地はあるんですが。

あとウィレム・デフォーが出てて良かった。しかも死なないデフォーですよ、死なないデフォー。ショーン・ビーンじゃないですけど、最近見(かえし)たデフォーの出る作品が「プラトーン」「スパイダーマン」「ジョン・ウィック」「インビジブル」と死ぬ役柄ばかりだったので死ぬキャラクターの印象が強かったんで、死なないのが結構嬉しかった。ハリソンよりデフォーの方が好きだし、役柄的にも死にそうな立場だったんで。
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