おじぇに

芸者小夏 ひとり寝る夜の小夏のおじぇにのレビュー・感想・評価

3.5
岡田茉莉子の伏し目がちな表情がきれい。
美しい女優の流れるような動作が映画として残されている有り難み。

囲われ生活は住居と多少の生活費は確保できるものの先が見えず窮屈、かといって芸者には戻りたくない、だけど所詮女がひとりでは生きて行けない。
で、結局またお妾として志村喬の世話になるのだった。

そんな小夏に下心ありでせっせと世話をやく森繁(前作で亡くなった小夏の旦那の部下)が、面白リリーフとして軽さをプラス。

常にしれっとしてる岡田茉莉子の考えは読めなくて、え?そんなに志村喬のこと好きだったの?となったり。
かというと最後は悲しみよりもこれからの我が身を案じてたりして困惑するけども、
感情的にならないのって、男に夢を売る事を生業とする女性のたしなみなのかも。

図らずも思わせ振りになったり、拒否なのか建前なのかハッキリしないのを勝手に都合良く解釈して増長させたりする手腕プロいな…

あと、心をもたないのは男に翻弄されながら生きてくしかない時代の女としての処世術とも言えるのかな。
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