Yuya

木と市長と文化会館/または七つの偶然のYuyaのレビュー・感想・評価

4.2
このめんどくさそうな題…
冒頭 教師が児童に尋ねるのは
"条件法の従属副詞節"とは何か?

ロメールに興味を持ったとしても
本作から手を出す人はいないだろう
名高い「四季」か「六つの教訓話」
あたりの いずれかから…ってもん
ところがどっこい 個人的には
この作品こそ 単純明快 小気味良く
ウィットに富んだ 愉快な童話のようだ

過疎化対策と環境保全の対立を背景に
保守だの左翼だの ズレた討論を
延々と繰り返す大人達を横目に
幼い少女の純粋無垢な願いが 未来を生む

簡単なコトを難しく 難しさは愚直へと
なんというか ほんわかな村物語を綴り
あえて 面倒な手法で逆手に取った皮肉
ロメールのもっともフランス人らしさを感じる

いや こん時でもう70を超えてるって
フレッシュでいて意欲的 この反骨はさすが!
Yuya

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