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木と市長と文化会館/または七つの偶然のsonozyのレビュー・感想・評価

3.6
1992年、エリック・ロメール脚本/監督作。
フランスの田舎町の市長ジュリアンが決めた複合文化施設の建設計画にまつわる騒動。

市長ジュリアン(パスカル・グレゴリー)、恋人の小説家ベレニス(アリエル・ドンバール)、女性ジャーナリストのブランディーヌ(クレマンティーヌ・アムルー)、エコロジストで小学校の校長マルク(ファブリス・ルキーニ)、マルクの娘10歳のゾエ。

彼らが、複合文化施設の建設の是非を巡り、都市(パリ)と地方(ヴァンデ県サン=ジュイール)の対比論、地方再生論..etcについて議論を戦わせる会話劇なんですが、ドキュメンタリーを見ているような、風刺コメディを見ているような、不思議な魅力の作品でした。

モントリオール世界映画祭で、非コンペティション部門 国際批評家連盟 特別賞を受賞しているというのも(賞に詳しいわけではないですが)、何となく納得です。

タイトルも長いですが、「もし・・」で始まる7章のタイトルも長いです。^^
1. もし、1992年3月の地方選挙の前に大統領が属する左派が議会少数派になってなければ
2. もし、ジュリアンが落選後、小説家のボリヴァージュに恋をしていなかったら
3. もし、保護地区の木が風雨に耐えて奇跡的に残っていなかったら
4. もし、雑誌「明後日」のブランディーヌ・ルノワールがラジオ放送を録音するために留守番電話を切っていなければ
5. もし、雑誌の入校時にブランディーヌがユニセフに付き添いソマリアに行っていなければ
6. もし、市長の娘ヴェガが教師の娘ゾエが通る道にボールを飛ばしていなかったら
7. もし、ある公務員が通常の業務を熱心に遂行していなかったら
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