頑固で潔癖、周りの人間とは距離をおいて生きる独り身の彼女の生活には一切の 無駄 がない。
まるでアルゼンチンの樹木希林である。
愛猫を亡くし、同時に職も失ってしまっいドン底状態にある ルイーサの ささやかな冒険 をリアルでブラックなユーモアで描くアルゼンチンの物語。
そんな彼女の 孤独 と 沈黙 を埋めるのは、ブエノスアイレスの景観と軽快なリズムを刻むアルゼンチン音楽。
この音楽の使い方がとても効果的で凄くいい。
失うものを持たない者が、残酷な現実と共に活写され、新たな世界が開かれて小さな一歩を踏み出してゆく…
悲壮感に満ちた内容でありながら、温かな余韻を残す、そんな作品です。
『どん底から立ちあがる』のコピーはいらんかなー。