千利休

幻の光の千利休のレビュー・感想・評価

幻の光(1995年製作の映画)
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是枝監督初作品。この時から既に彼特有のヨーロッパ受けしそうな作風が確立されている。だがそこには幾分昭和の邦画の系譜を継ぐ"らしさ"があるのだが、それはずばり境界線の感覚によるものであろう。ほとんどのカットがシンメトリーを強く意識させるとともに境界線を"見せ"、そこからなにか我々は閉鎖的感覚に囚われるのだが、それがなんとも往年の邦画の名作のようだ。鑑賞者の意識下に置く程度でよいそのような技巧がもはやメインになっているという点及びほとんど回収しない伏線などが監督自身本作を失敗作という所以なのだろうが、デビュー作としては納得出来る着地点であると思う。
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