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ラルジャンのkoheiのレビュー・感想・評価

ラルジャン(1983年製作の映画)
4.5
四角い偽札の透かしの部分に見えた虚像が、「扉」を通過するごとに不幸になる主人公の男を象徴している。彼は飛んだ災難をきっかけにして徐々に彼らしさを剥奪されていき、最後には空虚を眺める観衆の視線が映し出される。中盤までブレッソンにしてはすごい展開がわかりやすいなと思ったら、後半は一気に引き剥がされた感じがした。意味に回収できない空白だけが残ってる。
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