Ryoma

戦場のメリークリスマスのRyomaのレビュー・感想・評価

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)
4.0
この映画を観たのは、かれこれ一か月以上前。
タイムスリップしたかのような昭和レトロな映画館のへたれたシートの黴臭い匂いと共に、この映画特有の緑がかった画面のひりひりするテクスチャーが、記憶の隅っこにしっかりと焼き付いている。そんな(いい意味で)ざらっとした記憶の隅を突いてみると、思いのほか、坂本龍一のへたくそな演技や、デビットボウイのぎこちない回想シーンよりも、土に埋まるデビットボウイに差すあまりに清冽な月光の碧さや、ラストショットのビートたけしの今にも均衡が崩れてしまいそうな危うい笑顔等々の、きわめてどろりとしていて、同時に清々しい、映画特有の「匂い」が、やはりこの映画館の黴臭さと共に、混じり合って絡まり合って、頭の中に吹いてくるようだ。
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