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戦場のメリークリスマスのレンタルショップ店長Mのレビュー・感想・評価

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)
3.9
戦争により浮き彫りになる、国・人種による宗教観・道徳観の違いと、それらを越えた(越えようとした)男達の繋がりを描く。

捕虜収容所が舞台であるため戦闘シーンは一切無いものの、登場人物達が背負う業や運命を思うとやり切れないという点で、充分に戦争映画している。


基本的に説明の少ない映画なので、最低限、第二次大戦時の戦況の推移であるとか、戦勝国と敗戦国の関係性等は理解しておく必要はある。

ラスト、例の曲が流れ出すあたりは映画史上屈指の美しさ。特に最後のビートたけしのカットが有名だが、観た人・観た時によって解釈が変わるであろう秀逸な終わり方。ここの捉え方によって映画の印象そのものが変わる。

現代日本における「クリスマス」は宗教的意味合いが希薄な上に、一年の内コンドームが最も売れる日 という、世界的に見たら相当に異質な発展を遂げている。

本作での「クリスマス」は本来の宗教的概念として扱われ、劇中では異なる価値観を持つ者への『歩み寄り』のきっかけとして機能する。『奇跡が起こる日』といった表現は本来この様な場合に使われるべきだろう。

逆に考えると、そんな奇跡に頼らなくて良い時代・国になったとも言える訳で、今のお気楽さは現代日本が平和である確かな証。永く続けなければ。今を生きる者として、本作を観るとそう感じる。

と言う事で、ベタなチョイスだった上にベタなセリフを吐きますが


「メリークリスマス!

メリークリスマス!

フィルマークスの皆さん!」