翔海

戦場のメリークリスマスの翔海のレビュー・感想・評価

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)
3.6
過去に囚われた日本人の過ち。

1942年のジャワ島での日本兵と外国人捕虜たちの人間模様を描いた物語。
今回はあらすじを割愛させていただきます。今回この作品を観るきっかけとなったのもヨノイ大尉を演じた坂本龍一さんに追悼の意を込めて鑑賞することにしました。3月まで4Kリマスターで再上映をしていたのは知っていて、忙しくて時間が作れずに4月になり、訃報を聞いてかなり後悔しました。しかし、今回は自宅のテレビでの鑑賞でしたが有名な著名人の方々が出演しており、若かりし頃のビートたけしさんやデヴィッド・ボウイさんらを目に焼き付けことができ、観る価値はあったと思いました。若かりし頃の坂本龍一さんはマネキンと思わせるくらいに肌は綺麗で目鼻立ちはくっきりとしており、凛とした姿は男性から見ても魅力的であった。

日本の古きを大切にする精神。
日本は他の国に比べると変化に柔軟性がないというか、古き良きものを大切にしすぎる節があると思う。この作品での日本兵たちも古きを重んじる精神が強く自らの過ちや責任を負うときには腹切りをさせたりと外国人捕虜たちからも疑問を持たれていた。それは日本人の真面目すぎる性格から変化を恐れ、古くからの言い伝えを守り抜いてきたというものが根底にあるからだと思う。古き考えから変わるには一人でも多く、古い習わしに疑問を持つことである。それを訴え続けたセリアズは犠牲となりヨノイ大尉を少しでも変えることができたのであろう。そして、ヨノイ大尉が密かに抱いていた想いをセリアズは汲み取り、全てを受け止めてヨノイ大尉にキスをしたのではないかと思う。それは自分の命をも厭わない行動であり、ヨノイ大尉を変えるきっかけにもなったのであろう。

Merry Christmas, Mr. Lawrence
この作品の題名にもなっている坂本龍一さんの作曲した楽曲は映画を知らない人たちも一度は耳にしたことがあるだろう。最近では坂本龍一さんの訃報のニュースで流れることも多くなった。私もこの楽曲がすごく好きで、YouTubeにストリートピアノでこの楽曲をピアノで演奏する動画を高校生のときに聴いたときから忘れられずにいた。ピアノでの演奏は弾く人たちによって音の強弱や抑揚をコントロールできるからそれぞれの人たちの個性があって好きである。この楽曲でも同じことが言えて、感情を現す表現がこの楽曲はできる曲であるから好きなのかもしれない。中学生のときによく聴いていたFACTというアーティストさんもMerry Christmas Mr.Lawrenceをサンプリングした楽曲を発表しており、坂本龍一さんの楽曲とは少し異なるものですが、聴いたことない方にはオススメです。
翔海

翔海