第二次世界大戦最中の1942年、ジャワ島の日本軍俘虜収容所を舞台に描かれるヒューマンドラマ。
英題は"Merry Christmas, Mr. Lawrence"
何度観ても感動する名作。
特にハラ軍曹とローレンスが語り合うラスト5分からのメインテーマ曲『戦場のメリークリスマス』が流れるエンドロールに毎回泣いてしまう。。
ビートたけしとトム・コンティのお芝居が本当に素晴らしい!
この作品を観て思うのは、どんな状況で相手との関係がどういうものであっても、お互いに好意的な感情を持つことは止められないんだなということ。それが例え戦争であっても。
昔の日本独特の武士道というか美徳に対する価値観は、西洋人には言語以上に全く理解できないだろうし、「降伏するくらいなら自決する」なんて、本当に狂ってると思うしかない。
だけど、そんな日本の精神をローレンスだけは理解しようという心を持っていて、そしてハラ軍曹も冷酷な鬼軍曹のようだけど、次第にローレンスたちを理解しようとしていくことで、2人に不思議な友情が生まれたんだと思う。
私はこの2人の「理解できない相手を理解しようとする気持ち」が尊いなぁと胸が熱くなるし、これがこの作品の本質なんじゃないかなと思ってる。
ヨノイ大尉とセリアーズの関係はとても複雑だけど、ヨノイ大尉は同性愛というよりも人間としてセリアーズの魅力に抗えなかったんじゃないかな。本人も戸惑うくらいに。
セリアーズもそれに気付いていて、そんな大尉を見捨てずに人として誤った道にいかないよう、死を覚悟してキスしたんじゃなかろうか…分からないけど。
セリアーズの死がヨノイ大尉の心に種を蒔いたっていうローレンスのセリフ、グッとくる。
世界的ロックスターのデヴィッド・ボウイが出演しているのが不思議でならないけど、本当に美しい!若い頃の坂本龍一さんもびっくりするほど美しくて、キャスティングが素晴らしい。
本当に残念なのは、英語セリフの日本語字幕。字数制限あるにしても酷すぎて、全く違う意味になってるところも多いし、セリアーズのイギリスらしいウィットに富んだセリフが台無し…まぁ悪名高いあの人だから仕方ないけど。
ローレンスのセリフには今の時代にも通じる、心に響くものが多くて、あちこちで戦争が起きている今改めて観てほしい作品です。