コマミー

戦場のメリークリスマスのコマミーのレビュー・感想・評価

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)
3.9
【クリスマスの贈り物】

 [こんなクリスマス映画を観た🎄]

※一応クリスマス映画なので、ご紹介します(邦画としてご紹介します)。
 

これまでに"美しく"て、"不思議な魅力"に満ちた戦争映画は、観たことあるだろうか。
いや、この作品は戦争映画という皮を多少被りながらも、"恋愛映画"として成立させた物語だ。

大島監督はこの作品の後に、フランスで「マックス、モン・アムール」を撮っている。チンパンジーに恋をした女性の物語で、かなりの異色作だった。そんな事もあり、大島監督は"異色の恋愛"を多く映す監督としても有名だし、今の映画のテーマにも繋がる作品を多く撮ってきたのだ。

そして本作は、最近では多く目にする"同性愛"について描いている。"デヴィッド・ボウイ"演じる"英国人捕虜ジャック"と日本軍の軍人との間に起きた、"奇妙な出来事"について綴られている。
ビートたけし演じる"ハラ軍曹"の"ロレンス"に放つ最後のシーンのセリフで、本作が初めて「クリスマス映画なんだな」と思う人が多いだろうが、この意味は、"日本が敗戦"した事にも深く意味することもあって、僕自信はそれに気付いた時、少し切ない気持ちになった。

捕虜になっていた英国軍兵にとって、クリスマスの贈り物が「縄からの解放」だと言うことを、深く指しているセリフだったのだ。そしてその"時間稼ぎ"を、ジャック自身が受け持っていたのでは無いかとも僕は思っているのだ。
そう思ってみると、ロレンスが見てきたものは実は"奇妙なファンタジー"なのでは無いかと、思ったのだ。

そう思ってみるとやはり、美しくて奇妙で、こんなにも目が離せない作品なのだなと、僕は思いましたね。
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