イチロヲ

魔 デビルズ・オーメンのイチロヲのレビュー・感想・評価

魔 デビルズ・オーメン(1983年製作の映画)
4.0
僧侶の幻影に取り憑かれている香港のキック・ボクサーが、怪異現象を生み出している謎の呪術士に肉薄していく。過剰演出がテンコ盛り状態になっている、ショウ・ブラザーズ謹製のゲテモノ映画。英題の「The Boxer's Omen」が秀逸。

能う限りの撮影技法をふんだんに盛り込むことにより、エキゾチックでカラフルでオゲレツな、カオス・ワールドを構築させている。とりわけ、自身の吐瀉物から眷属を創り上げるという、呪術師のキャラ設定が悪趣味全開で面白い。

「黒魔術の呪いを解くこと」「ムエタイで弟の敵を討つこと」の2点が主人公の目的となるのだが、この2つの物語が直接的につながることはない。「超能力合戦の他にムエタイもやれば面白くなるんじゃない?」ぐらいの気持ちでやっているようにしか見えない。

バンコクとカトマンズでロケ撮影しており、仏教寺院の内部をサイケデリックな色合いで映像に落としこんでいるため、独特のケレンミを味わうことができる。
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