矢吹

カルメンという名の女の矢吹のレビュー・感想・評価

カルメンという名の女(1983年製作の映画)
3.8
あなたと私の間に恐ろしい波を。
無垢なものには扱いきれないそれを。
自分をどうたらこうたらって。ありえないあいつとあいつらから。それを。
もういくわ。ごめんな友よ、男よ、女よ。

体調は、最高です。最高でした。
ゴダールがゴダールとして盛り上がってた。
演奏、重奏の差し込み、内と外。
一曲なのか、関係ない弦楽器のリフレイン?
一曲を間に挟んで並行してやってると捉えても面白いけど。嘘の可能性が高い。
少しくたびれた、愚痴っぽくなってるゴダール。
資本主義への諦念が少し寂しい。
まあ彼のセリフなあれなので、映画の、は別の意味合いはあるけど。おそらく。

とにかく、波を物理的に30分は見る。まあずっと写っているものは、波だといえば、波なんだけども。恐ろしい波。近づいていく、音と距離。

映画を演じる銃撃戦と出会いと逃避行。
テンポが速いとかじゃなくて、後から答え合わせをするスタイルでの展開がとても良かったです。目が離せない。といいつつ、絶妙に絶妙に絶妙に眠気を誘うリズム。やばいバランス。音楽のせいでもある。あとは海と雲。あと車と夜景。
時間の感覚が地続きじゃなくて、夢に近い気もしたな。繋がってるけど、ついていけてるけど、ずっと迷子のよう。
夕べまでに全てを理解するわ。
行動のみに意味がある。
人生を貫徹するのは実行のみ。
雲、激流を起こしてくれ。
これは最高の詩。永遠じゃないか。ピエロ。
運命の力を見せよ、我々は自分を制御できない。そうあるべき。、運命的な脚本。
音楽隊と、全てが交わる。
なぜ男は女は存在するのか?
恋愛をしている双方の、どちらが撃つのか。
お嬢さん、大丈夫ですか。
無音とストップのモーションが怖い。面白い。
一方に無実の人たち、もう一方に罪人。
全てが絶滅しても日が昇って息ができる
それは夜明けですよ。お嬢さん。

また帰ってきます、何回でも、なみだから、ピエロ。
矢吹

矢吹