タケオ

ディア・ハンターのタケオのレビュー・感想・評価

ディア・ハンター(1978年製作の映画)
3.8
ベトナム戦争'そのもの'ではなく、ベトナム戦争による若者たちの'心の傷'を中心に描いたマイケル•チミノ監督による傑作反戦ドラマ——。

1番印象に残る•••というかトラウマ並みの衝撃を覚えるのは、やはり映画史に残るであろう恐怖の"ロシアン•ルーレット"(><)

当時のハリウッドではベトナム戦争の悲惨な実態を直接描くことがタブー視されていたため、臆することなくタブーに切り込んだ本作は当時の作品の中でもかなり<異質>な存在のように感じる•••。

また、本作のもう一つの特徴としてはじめにも述べたように'戦争描写'よりも'人間ドラマ'に重きが置かれているという点がある。

映画の冒頭1時間を主人公たちの結婚式や出征パーティなどの華やかなドラマに費やすぶん、その後のベトナム戦争の狂気や悲劇がより重く鑑賞者にのしかかるのだ•••なんてタチの悪い構成だ チクショウめ‼︎

また、ベテランの貫禄をみせるロバート•デ•ニーロ、鬼気迫る演技で第51回アカデミー賞助演男優賞を受賞したクリストファー•ウォーケン、デビューしたてながらも存在感を示すメリル•ストリープ、癌に侵されながらも最後の名演を披露したジョン•カザールら実力派俳優陣の演技合戦も見応えあり‼︎

鑑賞後にあまりにも深い余韻と痛ましさを残す、一度は鑑賞すべき•••そして二度と鑑賞したくはない作品だ——。
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