”太陽族”と呼ばれた、昭和30年代の享楽的な若者たちの生態を描いた青春映画。
兄(石原裕次郎)と弟(津川雅彦)が同じ女を好きになる。
しかも、彼女(北原三枝)は他の男の妻。
…というストーリーなので、もっとドロドロ&グチャグチャしてもおかしくないのだが、カラッと軽い。家族とか貧困といった重たい要素を排除した、陽性の作品。
① 高度経済成長期に差し掛かって裕福な世代が現れ、”色恋沙汰”にかまける余裕ができた。
② 舞台となる鎌倉、逗子、葉山、大磯…といった湘南沿岸がまだ海がきれいで憧れのリゾート地として成立していた最後の時代。
③ 石原裕次郎、という日本人離れした若手スターの登場。
…という、3つの要素が奇跡的に重なって生まれたキラキラした映画。
その希少性が、青春期の切なさとか二度と戻らない輝きと相まって、忘れがたき印象を残す出来となっている。