ryosuke

狂った果実のryosukeのレビュー・感想・評価

狂った果実(1956年製作の映画)
4.3
津川雅彦追悼上映@文芸坐
これ17日で撮影は凄すぎるな。
原作脚本が石原慎太郎なので、一橋大学のスローガン?である「captains of industry」について言及されたりする。「中共やソ連が近くにあるのに見果てぬ夢だ、教授らは何言ってるんだか」みたいなセリフがあるが、教授は未だに学生に言っております...
岡田眞澄はイケメンやなあ。
軽快な展開とテンポの良い編集で小洒落たショットがどんどん繋がれていく心地良い作品。
多人数の顔面のみのクローズアップを素早く繋いでいく会話シーンも独特な感じ。
ヌーヴェルヴァーグに影響与えているらしいが、特にやることも無く恋愛ばかりしている若者たちの青春の様子や、自然光が眩い海沿いのバカンスの描写を見ていると「アデュー・フィリピーヌ」を想起した。純粋な若者の恋愛をスレた大人が邪魔するという展開からいえば「海辺のポーリーヌ」か。
やはりラストシーンが素敵。細かいモンタージュの爽快感。
一言も言葉を交わさないどころか、目線すら合っていないのではないかという感じで凶行に及び、一直線に去って行くのが純粋で良い。
ryosuke

ryosuke