『手を挙げて俺についてこい!』
8マイルロードで分断された貧困層の街デトロイト。白人のジミーはこの街で成り上がりラッパーのプロを目指すが…というストーリー
僕は日本語ラップが好きで良く聞いていましたが、流石本場のアメリカ。聞いていて心地の良いフローに容赦のないリリック。えげつないです。不良、怒り、碌でもない街、辛すぎる現実、それらをラップという形で芸術に昇華させる、苦境に立たされていた黒人から生まれたこの文化は今や、白人や黒人、国を越え様々な場所で親しまれています。
先述した様に、ラップは黒人発祥です。数々の映画で黒人は白人に挑む挑戦者として描かれてきましたが、この映画は逆。白人の主人公のジミーは常に苦境に立たされる挑戦者として描かれます。しかし苦境に立ったときにこそラップは輝きます。苦境から這い上がる様をドープなラップで盛り上げながら描き出します。
またラップは苦境を芸術に昇華させるだけではなく、仲間たちとの友情も一つの要素としてあります。仲間たちの友情は非常に荒んだ街でも綺麗に映ります。