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8 Mileのharuのレビュー・感想・評価

8 Mile(2002年製作の映画)
4.2
これはめちゃ心が熱くなる!最高!
エミネムがかっこいいだけの映画でも(※実際エミネムはめちゃくちゃかっこいい)、よくあるサクセスストーリーでも全くなかった…。若者がフラストレーションをもて余してるデトロイトの貧困地区の雰囲気がリアル。ラビット(エミネム)が働く自動車工場も切ないし、廃屋だらけの町並み、その日暮らしの狭いトレーラーハウス、人種差別…わーコレしんどいな~…という要素が盛り沢山で、自力でどうしようもないようなモヤモヤした閉塞感が終始伝わってきた。みんながそういうそれぞれのモヤモヤを投影してるからこんなにラップバトルに熱狂するんだろうな~。ラップシーン、相手へのディスりが本当に容赦なさすぎてスカッとする。すごく良いと思ったのが、天才的な思い付きでリリックができるのではなく、ラビットが通勤バスの車窓から見える看板の文字を拾ってネタ探ししたり、メモにびっしり言葉のストックを書き連ねるような地道な努力の過程が描かれているところ。日頃の積み重ね以外の何物でもない!ちなみに私のように英語が分からなくても、韻や言い回しの雰囲気がきちんと伝わる日本語訳になっている。
気持ちが下がり気味で、どうしても前向きに頑張ろう!と思えないような時に、「前向きとか関係ねえから、とにかく這い上がれ!」と喝を入れてくれそうな映画だと思った。
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