のすけ

8 Mileののすけのレビュー・感想・評価

8 Mile(2002年製作の映画)
4.1
1995年のデトロイト。
フリースタイルラップバトルが行われているシェルターで始まる。主人公のBラビット(エミネム)は出番前、トイレでスタンバイしてるけど吐いてしまうなど、かなり緊張してる様子。ヒップホップ、ラップは黒人の文化で、特にこの映画の舞台となるデトロイトでは特にその考えが強かった。そんな中白人のBラビットは舞台に上がるや否やブーイングを浴びる。最終的にBラビットは何も言えずに舞台を降りる。Bラビットは周りの仲間も認めるほどの実力の持ち主なのに、なかなか その実力を公に出せずにいた。Bラビットは、働かずBラビットの少し上の男とだらだら関係を持っている母とまだ幼い妹のリリーとトレーラーハウスで住んでいる。
Bラビットの家庭は貧乏で母親は働かず男に溺れ、でも守らないといけない妹がいたりして家庭環境に恵まれていない。Bラビットは母のことを憎んでさえいる。けど、好きなラップをしようとしてもなかなか白人の自分は受け入れてもらえず、白人としての自分は結局ヒップホップの文化に馴染めないんじゃないかと葛藤する。
女の子の出会いと裏切り、家族の問題を乗り越えて、Bラビットは自分の生まれた環境、白人としての自分が歩むべく道への覚悟を決め、最初に失敗したシェルターで再びバトルに挑む。

自分が目指す世界に自分が受け入れられないことがどれだけ辛いか。Bラビットが抱える葛藤は見ている人の多くが感じたことがあるだと思う。

この物語はBラビットが自分の運命と向き合って自分の目指すべき道に覚悟を決める話。
最後のバトルは因縁の相手と戦いに行くというよりかは自分と対峙しにいくようにも見えた。

Bラビットの男性性のコンプレックスも見て取れる。
Bラビットは少し小柄で周りの黒人に比べたら体格も小さい。
けど、Bラビットは手を出したり、気性が荒っぽい様子が度々見られるが、これは自分の男性性のコンプレックスの反動だと思う。
実際にBラビットが1番落ちるシーンでは
自分の恋人を寝取られ、相手チームにボコボコにされる。
男性性がボコボコに傷つけられる。
のすけ

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