しお

魔女の宅急便のしおのレビュー・感想・評価

魔女の宅急便(1989年製作の映画)
5.0

社会に出てから見る魔女宅、良い〜!

このお話は、好きなことをして生きていこうと決めた人間が打ちのめされて成長するお話なんですね。

箒は才能(例えば絵とか、歌)、そしてジジは長年自分を見ていてくれていた人間(親や友人)のメタファーなのだと思いました。
これからどう自分の力を活かそう、どんな世界が待っているのだろうと胸をわくわくさせる新社会人が、関わる顧客の薄弱な人間性にダメージを受け、残業(顧客の家の時計が遅れていた)のせいで友達のパーティに参加できず、そして仕事の責任に潰されプチ鬱になっていく…。けどちょっと年上の友達に励まされ、また自然に自分の特技を活かせるようになる。

ウルスラとキキを演じているのが両方高山みなみさんなのがよかった。「スランプを抜けてまた好きなことができるようになった」2名のリンクがグッと強まります。

昔は少女がモラトリアムを脱出する話だと思って観てましたが、おとなになった今見ると「なるほどな〜」と思える場面でいっぱいでした。得意なことが活かせなくても、ニシンのパイを焼いたおばあちゃんみたいに私そのものを見てくれる人が、もしかしたらいるかもしれない。仕事がんばろ!
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