しろくま

魔女の宅急便のしろくまのレビュー・感想・評価

魔女の宅急便(1989年製作の映画)
4.0
2022.05.03/099/TV録画
満月の夜に家族と別れて、魔女の修行に旅立つキキ。見つけた港町で、いろんな人たちと出会い、配達をする仕事を始めるのだけど、ある時を境に、魔法が使えなくなって…。

いろいろな出来事を通して、魔女として成長していく前向きになれる作品で、ゴールデンウィークの天気のいい朝にぴったりの映画。何度も同じ映画を観るってことはあんまりしないけど、この映画だけは特別。元気になれるだよなあ。明るくて頑張り屋のキキも、彼女のまわりの人達もみんないい人たちばっかり。そして、街の景色や久石譲さんの音楽も素敵で、とっても癒される。あのほうきで空を飛ぶシーンの浮遊感もスタジオジブリならでは。

でも、何で急に魔法が使えなくなったのかなあって思って検索したら、自然と関わらずにラジオの情報を頼りにしているところがよくないみたい。たしかに、途中出会った先輩魔女さんは〝その音楽止めてくださらない?わたし静かに飛ぶのが好きなの〟って言って生意気ではあるけど、先輩は雲を見たり風を感じて飛んでいたのか、雨が降り出す前に帰りついているけど、キキは雨に降られて〝何よあの天気予報は〟ってぼやいていて、なるほど。キキは、自然や自分の心に向き合うことを忘れていたんだね。そしてあの時、怒ってしまったことが引き金になったってことね。働いていても修行っていう修業はしていないけど、そうした気持ちの持ちようが大事ってことか。そして、絵描きのウルスラさんの登場。彼女が森の中で生活しているのは、自然を感じて自分と向き合っていたかったからなのかもしれない。彼女の言葉が、キキの心に沁みていく。キキの声の高山みなみさんが、ウルスラさんの声も担当していたって知って、びっくり。まさに〝自分自身との対話、という意味の配役〟。魔法を取り戻すカギはそこにあったんだね。
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