子どもの頃から苦手だった作品。なぜかというと、キキが自分は素直で明るい良い子だから、誰からも好かれてどこにいってもきっと頼りにされると信じてるところ。勝手にキラキラ夢見て期待して、思い通りに事が進まない現実に打ちひしがれるけど、それを誰かに打ち明けることも出来ず、鬱々とした気分が続くのがあまりに長い。
駆け出しの魔女が、しかも見た目はまだ少女で、そんな子が一人でやってきても、馴染みのない都会でいきなり他人に認められるのはそりゃ難しい。何故そういうことをキキに教えてやるキャラがいないのかと、もどかしい。
居場所を見つけるのも人任せのようにずるずると行くしかない。やりたい事がハッキリしてるようで、それの期待値が大きいあまりかそぐわないとがっかりしてキキには鬱憤ばかり溜まってゆく。
おソノさんやパイのおばあさんの優しさになんとか応えようとするのも、他人主体でものを考えると自分のやりたい事じゃなくなって、うまくいかなかった時に人のせいにしたりしちゃうんだよな〜。自分は頑張ったのに、自分はこんなにやったのにって。
絵描きのお姉さんみたいに何もなくたってその日に見たもの起きたものを楽しめばいいし、絵描きと魔法に通じる部分の悩みなどに気づかせてくれる。絵描きのお姉さんがキキと同じ声優さんなのも分かりやすく対比としてみせる意図があるのかな。
街の風景や小物、欧州風の世界観にめちゃくちゃ憧れるけど、ヒューマンドラマすぎるこの作品。とてもコアな層に向けたメッセージが多すぎんだろ。宮崎さんならではなのかなあ〜