櫻イミト

ロイドの人気者の櫻イミトのレビュー・感想・評価

ロイドの人気者(1925年製作の映画)
4.5
およそ100年前に青春ラブコメ&スポ根のフォーマットを確立したロイドの大傑作。スポーツ映画の草分けとしても評価される一本。

大学の新入生ハロルドは、人気者になるべく憧れの映画スターを徹底的に真似ることを決意。洋服はもちろん、挨拶する時は必ずステップを踏んでポーズを決め、アメフト部にも入って選手を目指す。しかし作戦は裏目に出て、本人は気付かないが学校中の笑い者となってしまう。ただ一人だけ、下宿屋の娘ペギーだけは彼を信じて応援していた。。。

自分はコメディが苦手なのだがこれはすごく面白かった。”ステップ挨拶”がツボに入り、ロイドが挨拶する度に笑ってしまった。ダメな若者の奮闘成長物語としてのプロットが完璧。映像も良く出来ていて、クライマックスのフットボール大会の疾走感には興奮、健気に応援するヒロインの姿にはホロリと来た。

本作は同年のチャップリン「黄金狂時代」を興行成績で上回った。ロイドの青春コメディは現在の感覚から観てもチャップリンやキートンと並ぶ個性と魅力がある。もっと多くの作品が高画質配信され再評価されるべきだと思う。

個人的には昨今の「THE FIRST SLAM DUNK」より感動したし、例えば「東京リベンジャーズ」系の青春漫画フォーマットは本作が元祖と言っても過言ではない。

※filmarksやYahoo映画には100分と表記されているが、日本版DVDは68分、米版DVDは77分である。100分バージョンというのがあるのだろうか??
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