こぅ

両棲人間のこぅのレビュー・感想・評価

両棲人間(1961年製作の映画)
4.0
「僕が人間なら人を愛する権利がある」

ゲンナージー&ウラジーミル監督による、【ロシアン・ラブ
・ファンタジー】。

ロシアでは超有名ながら、一般的にはカルトな逸品。

【シェイプ・オブ・ウォーター】の始祖⁈
ギレルモ監督から毒(グロ)を抜いた感じか。 
ここは、好みが分かれる。
ギレルモの創造した世界観が好みなら、本作は薄味に映るだろ
う。


港では半魚人が現れるという噂が流れている。年老いた貧乏な
父親、バリタザルの借金の為に若く美しい娘、グチエーレが、
金持ちで美男の船長、ペドロと婚約しているが、娘はペドロの
事が嫌いであった。
とうとう娘は船から海に飛び込んで、岸を目指して泳いで行く
が、サメに襲われる。沢山いる船乗りたちは、半魚人を怖がり
助けに行かないが、ペドロが一人でボートで助けに行く。
溺れて海に沈みゆくグチエーレ。その時、半魚人が現れ、サメ
を殺してグチエーレを助け、船長のボートに乗せる。実は
半魚人は、若い美男の青年イフチアンドルであった。半魚人の
青年は、グチエーレに一目惚れして…。


ロシアで、半魚人で、◯恋で、、って暗いイメージに反して⁈
作風は、ちょいコミカルなパートもあって観やすい。
そもそも半魚人というよりも、ギレルモと違って、素は普通
の人間のヴィジュアルだから、両棲人間と呼ぶのがピッタリ。
両棲人間を作り上げたのは、父親で博士。


序盤、
海でグチエーレを助けようと、ナイフでサメを切りつける
半魚人。
水中撮影と一連のショットの切り返しが簡潔で美しい。
気絶して沈んだグチエーレを助け、船に上げ、ほどけた赤い
リボンを大切に持ち帰る半魚人。
グチエーレのイエローの水着に透けた 黒乳首 がエロい‼︎

というエロ目線で見るのは日本人だけ⁈

水陸両用だから、両棲人間。
彼が、グチエーレを探して街を奔走するシークエンスが微笑ま
しく、躍動感に満ちている。
グチエーレを想う数々のエピソードも印象深い。

イフチアンドル親子が【海底】の基地に住んでいる描写が、
人間との差別化、異色感の演出に貢献。

ペドロは、グチエーレを監禁して、イフチアンドルを騙して
捕獲し、2人を引き離そうとする、、

愛し合う2人、引き裂こうとする人間、2人を守ろうとする
人間、いつの世も万国共通普遍のストーリーが、短尺の中に
無駄無く収まっている。

兎に角、水中撮影(スタジオセット有り)が美しく見どころ。
加えて、
イフチアンドル役、ウラジミール(21)は、キリアン・
マーフィ似。
ヒロイン役アナスタシャ(17)が、可愛い。

https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcRaU5j76xP01nUvtdbozRujaqxh3fj5d3lNrw&usqp=CAU

また、この2人の飛び込み姿勢が美し過ぎる‼︎


ラストは、意外にアッサリしているのが印象的。
こぅ

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