とらキチ

アメリカン・ギャングスターのとらキチのレビュー・感想・評価

4.0
やっぱりこの頃のラッセル・クロウはカッコイイ!
ハーレムのドンの側近だった名もなき男が、薬物の売買でアメリカ社会をのし上がって行く生き様と、自分の信念を貫き不正を決して許さない馬鹿正直な警官が、麻薬や警官の不正を暴いていく姿を描き、ベトナム戦争を背景にした“病めるアメリカ”の時代を浮き彫りにする。
ディスカウントショップをヒントに、現地で直接買付け、しかも軍のロジスティックを使って本国に持ち込もうとするなんて相当賢いのか、それだけ世の中がオカシイのか…なんて考えさせられる。そしてニューヨークの麻薬捜査官の間で深く蔓延している汚職の実態についても…
善と悪、黒人と白人、警察官と犯罪者…のように、ラッセル・クロウ演じるロバーツとデンゼル・ワシントン演じるフランクは対称的で、この両者のバランスの見せ方がとても巧い。
そこまで派手なドンパチや抗争シーンなどはほとんど無いが、脚本や演出、進行が緻密にできていて、とても見ごたえがある。そして終盤までほとんど交錯しないこの2人が共闘してからの一気の畳み掛けがとても良くて、更にのめり込めた。
キウェテル・イジョフォーにコモン、RZA、更にはイドリス・エルバにノーマン・リーダスと、脇のキャスティングが今見ると、とても豪華なのも印象的。
とらキチ

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