ホイットモア大統領

夕陽のガンマンのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

夕陽のガンマン(1965年製作の映画)
4.4
買ってから熟成させていたBlu-rayをようやく鑑賞。

ただただカッコいい…。
それだけで映画が成り立っている…。

まずオープニング、望遠カメラが口笛を吹きながら馬に乗る男を映していると、突然の銃声で男は落馬。そしてそのままモリコーネの音楽が始まり、オシャレなムーヴでタイトル・イン。ここで一気にこの作品の世界観に引き込まれる!

その後出て来るのはモーティマー大佐演じるリー・ヴァン・クリーフ。全身黒ずくめの牧師スタイルで、熱中症になっちゃうんじゃないの!?と思うけどカッコいいからOK。
駅での落ち着いたやり取りと鷹のような眼光から只者じゃない雰囲気を醸し、最初の賞金首を撃つシーンでそれが確信に変わる。

そして、イーストウッドが演じるは名無し。紳士なモーティマー大佐と違い、若くて粗野な風貌と性格。無精髭とポンチョ姿が似合いまくってフェロモンダダ漏れ。
射撃の時しか右腕を使わないから、あだ名がモンコ(Manco)=片腕だけど、そのまま読むとちょっと危ういので「名無し」と名付けた配給側は素晴らしい判断だったと思います。無口だしキャラに合ってる!

そんな2人が互いの目的を知り、街から追い出そうと牽制し合うシーンがまた凄い!こんなわかりやすく、しかもカッコよく力が互角であることを示せます?
そんなW主人公体制だけど、今回はイーストウッドよりクリーフさんの魅力に軍配かな。ストーリー的にも。

さらにもう1人、インディオの、脱獄 → 裏切り者一家皆殺し → 即銀行強盗計画、という一連の流れで、我々に彼が大悪党であることを認識させる。しかし、昔愛した女性(と言っても寝取り)の懐中時計をいまだに忘れられないセンチな面も見せる。

こうして序盤に三者三様、キャラクターの紹介をしっかり描いていることがラストの決闘シーンの緊張感に活きてきて、結果、長引いた決勝戦がタイブレイクにもつれ込んだぐらいの胸熱さに。オルゴールの音に続いて名無しが現れた時はもう失禁するかと思ったぜ!

その名無しのキャラだけでなく、敵組織に潜入する、捕まる、戦うの流れは今回も『用心棒』なので、『荒野の用心棒』のアップグレード版としても楽しめました!